GB ESG/SDGs2021年総括〜投資活動を通じた社会への還元を目指して〜

2020年度より事業活動を通じたSDGs/ESGへの取り組みに注力しています。

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執筆: Universe編集部

グローバル・ブレイン(以下、GB)では2020年度より事業活動を通じたSDGs/ESGへの取り組みに注力しています。

2020年度は3つの注力領域を決め、社会貢献活動を中心に行ってまいりました。2021年度はより本業である投資活動を通じたSDGs/ESGへの取り組みにシフトし、引き続き社会への還元を目指しています。

今回は2021年度の活動報告として、以下3つをご報告いたします。

1.ESGポリシーの適用を開始

2021年9月にESGポリシーを策定し、新たに組成したGB8号ファンドの投資先より運用を開始しています。上場企業を目指すスタートアップの皆様にESG視点を経営に取り入れる意識醸成を目的に実施しております。

スタートアップにおいてESGを考慮するメリットは、(1)クライアントニーズへの対応、(2)人材採用・定着化、(3)資金調達の3つだと言われています。

(1)クライアントニーズへの対応

近年、国内でも企業や一般消費者のサステナビリティへの配慮の認識も高まっています。

多くの企業はサプライヤーに対する責任基準を提示しており、一部の企業では人権に特化したデューデリジェンスを行う企業も存在します。国際労働機関の調査によると、国内の上場企業2,786社への調査で回答した760社のうち約50%が人権DDを実施しています。まだ数としては少ない印象はありますが、この流れは不可逆なものと考えます。

また、一般消費者においては、企業広報戦略研究所(株式会社電通PRコンサルティング内)が行った生活者における「2020年度ESG/SDGsに関する意識調査」によると、1万人のうち33.1%がESGについて「詳しく知っている」または「聞いたことはある」と答えました。この数字は昨年比10pt増加であり、年々認知が拡大しています。また、SDGsについては約8割の方が「詳しく知っている」もしくは「聞いたことがある」と回答しています。

さらに企業のESG・SDGsに対する取り組みを知り行動した人は56.4%であり、約18%の人は企業の商品サービスの購入や株式、投資信託などの購入に繋がっているそうです。

このように一般企業や生活者の意識の変化により、ビジネス活動におけるESGへの関心は今後も高まると考えられます。

(2)人材採用・定着化

人材採用、定着化のためにもESGの要素は重要と言われています。米国の大手企業1,000人の従業員にリサーチした結果によると、70%以上が環境問題に真摯に取り組む企業で働く可能性を示しており、また40%近くが過去にサステナビリティの取り組みが理由で転職したことがあると回答しています。

また、Sの観点でDE&Iも注目されています。Mckinsey&Companyのリサーチによると、経営陣の多様性と財務上のパフォーマンスの関係が時間の経過とともに強化されることが示されています。

適した人材に長く企業でパフォーマンスを出してもらうためにもESGへの取り組みは無視できない要素になってきています。

(3)資金調達

近年、投資家におけるESGへの関心が高まっています。世界持続的投資連合(GSIA)によると2020年のESG投資額はグローバルでは35兆ドルを超えました。スタートアップの業界ではまだ少数派(USにおけるESGレンズを持つVC割合は11%程度と言われています)ですが、欧州を中心にVC業界のESGのイニシアティブが発足されたり、ESG専門の人材を雇うVCも出始めています。

さらにPRIによるガイドラインも2022年2月に発足し、VC業界におけるESGの動きはまだ始まったばかりです。

一方で、既存のESGのガイドラインは大企業向けに作られたものが大部分であり、アーリーステージの企業にとっては着手の難しい領域だと考えます。GBでは投資先企業様と対話しながら、よりスタートアップの実体に適したESGへの対応方法、ヒアリング内容、モニタリング方法などを今後もアップデートしていく方針です。

2.インパクト志向金融宣言への署名

インパクト志向金融宣言とは、金融機関の存在目的は包括的にインパクトを捉え環境・社会課題解決に導くことであるという想いを持つ複数の金融機関が共同し、インパクト志向における投融資の実践を進めていくイニシアティブです。

日本の金融機関、大企業の皆様と共に、2021年11月29日にGBも署名させていただきました。国内における金融の力を通じた社会課題の解決に貢献させていただきたい所存です。

3.社会貢献活動

2021年度は以下の社会貢献活動も実施いたしました。

(1)環境保護として、社内のプラスチック製品の削減、電子署名の促進
・ペットボトルキャップ回収によるワクチン寄付の実施

(2)社会福祉・コミュニティ支援
・障がい者の方が描くアート作品を取り扱ったオンラインギャラリーのスポンサー(1年間)

オンラインギャラリーは、スタートアップ、株式会社ヘラルボニーと連携させていただき、延べ5,000名以上の方にご訪問いただきました。

以上が2021年の総括となります。

2022年はESGポリシーの運用と投資企業によるESG/SDGsへの貢献についてフォーカスしていきたいと考えています。

参考: https://startup.info/why-esg-investing-is-a-must-for-every-start-up/