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AI英会話「スピークバディ」に投資する理由

本稿では私たちが彼らに注目する理由、根強い人気と必要性が叫ばれる言語教育市場にどのようなトレンドがあるか、これらを紐解きつつ同社の魅力を伝えてみたいと思います。

スピークバディ代表取締役CEOの立石剛史さん。
スピークバディ代表取締役CEOの立石剛史さん。

執筆: Universe編集部、共同執筆: 坂本祥子

本日、グローバル・ブレインは新たな投資として英語学習領域のスピークバディへの出資を公表いたしました。

スピークバディ(旧appArray)はAI音声認識を使った英会話アプリ「スピークバディ」およびオンライン英語コーチング「スパルタバディ」を提供している会社です。2020年8月にGB7号および31VENTURESより出資。2016年にリリースしたAI英会話アプリ「スピークバディ」は、音声認識、会話AI、デジタル音声等の技術によって感情豊かなAIキャラクターと対話しながら学ぶことができる新しい英語学習方法を創出しました。

2019年5月にはApp Store教育ランキングで1位を獲得し、2020年8月には累計90万ダウンロードを突破。現在もダウンロード数を伸ばし続けています。今回の調達以降は、コンシューマーに加えて、法人向け展開も強化していく予定です。

本稿では私たちが彼らに注目する理由、根強い人気と必要性が叫ばれる言語教育市場にどのようなトレンドがあるか、これらを紐解きつつ同社の魅力を伝えてみたいと思います。

2020年に変化する日本の語学教育市場

ここ数年、日本の言語教育は段階的に変化を続けており、2020年には小学校でのプログラミング言語学習と外国語学習が必修化されました。

特に英語に関してはこれまでにも課題を指摘する声は多く、文部科学省が実施した「英語教育実施状況調査(平成30年度)」によれば、CEFR(セファール・ヨーロッパ言語共通参照枠)でA1レベル(英検3級)相当の中学生、CEFR A2レベル(英検準2級)相当の高校生の割合はともに政府目標とされている50%に達していない状況だそうです。

参考情報:平成30年度「英語教育実施状況調査」の結果について

こういった課題感が続く中、国内でも根強い人気があるのが語学学習事業です。ここ10年では世界的にも従来型のスクール形式ではなく、スマートフォンシフトの波に乗ったアプリなどを活用したモデルが躍進しました。CrunchBaseを紐解くと、iPhoneが発表された2007年「スマホ元年」に四半期ベースで1億ドルほどだった投資額は、10年後の2017年(Q1)には14億ドル、2020年(Q1)には更に倍の28億ドルに拡大しています。主たる企業はユニコーン評価(10億ドル)のDuolingo(2011年創業)やBussu(2008年創業)、Babbel(2007年創業)などがあります。

参考情報:CrunchBase Language Larning Companies

これら大きく成長しているサービス企業の特徴は「アプリ・インタラクション・AI」です。

言語学習は頻度が重要で、先の指標「CEFR」でもA1からC2までの6ランクでそれぞれひとつ上げようとすると、適切な指導者の元で200時間の学習が必要とされるそうです。スマートフォンはいつも手元にあるので、スキマ時間を使った学習はこの課題に効果的です。

また、学習者に最適なコンテンツを楽しく提供することも重要です。

人手をかけず、様々なパターンの教材から最適なコンテンツを学習者に提供するためには、機械学習(AI)は欠かせないものとなっています。これらを適切に組み合わせ、提供しているのがスピークバディなのです。

「人+AI」で実現する新たなオンライン英語教育

スピークバディ
スピークバディ

英会話アプリ「スピークバディ」ではAIを活用することによって、音声認識、自然言語処理を行い、ユーザは仮想的なキャラクターと自然な会話練習をすることが可能となっています。従来より規模の大きい英語学習市場において、これまでは自己学習で難しかった英会話学習を実績的かつ効率的に実現しています。

このアプリ事業で培ったノウハウを活かした個人向けオンライン英語コーチングサービスが「スパルタバディ」です。

2018年9月より提供開始していて、プロのコーチが受講者のレベルに適した学習カリキュラムを提案し、毎日のチャットと定期的な電話にて徹底サポートします。テストや課題を通じて英語力上達を可視化し、毎日のサポートで月30時間にも及ぶインプット学習を生み出し、短期間で飛躍的に英語力を向上させるサービスです。

実は今、このコーチングサービスを法人向けに展開する動きも進めています。

このオンライン英語コーチングサービス「スパルタバディ」を初めて導入した企業では、受講者の殆どがCEFR(語学力のレベルを示す国際標準規格)ランクが2レベル以上あがり、効果があるということで、定期的に数十名ずつ受講いただいています。

厳選されたプロのコーチが付き、カリキュラムの提案、毎日のサポートを行います。英語学習は継続することが難しい、短期で習得することが難しいという課題に対して、オンラインのため移動時間を取らず、いつでもどこでも、英語学習を習慣化し、短期で総合的な英語力を収得することを可能としています。

好評の理由はやはりオンラインで場所を選ばない点です。

感染症拡大の問題もあり、日本に限らず世界全体でオンライン化が進みました。これまでも英語教育については私たちが投資したレアジョブ(2014年6月上場)など、場所や時間を選ばないソリューションが生まれています。

スピークバディの強みであるAIについても主にビジネスマン向けの会話学習に活用していますが、これをリーディングやリスニング、単語にも展開したり、ターゲットを拡大していくという可能性もあると思います。

創業者の実体験

同社CEOの立石剛史さんもまた、何種類もの英語学習法に取り組まれた経験をお持ちの方です。長時間ご苦労された結果、外資系企業での勤務、海外駐在を経験されるまでになり、その後、本気でグローバルに通用する日本人を増やしたいという思いでこの事業を開始されました。

プレーヤーの多い領域で長期間に渡りAppStoreセールス・ランキング1位をキープしているという実績もそうですが、それを可能とするチームに加え、この立石さんご本人の原体験が強いプロダクト、サービスにも魅力を感じています。

因みに立石さん、元々は英語が苦手だったそうです。共通の友人を通じて知ったのですが、そういった方がご自身の体験が強く反映させたプロダクトだったので、実際に自分でもアプリを使ってみて、本当に楽しみながら続けられそう、続ければ身に付きそうという感触を得たことも投資の後押しになっています。

スピークバディでは早くからAI活用に取り組み、データも多く蓄積されており、日本人ならではの英語表現や固有名詞に対応するなど、とても高い精度で日本人の英語を聞き取ることができます。そのため相手が疑似的なキャラクターと思えないほどスムーズに会話練習が可能となっており、効率的に英語学習をすることが可能です。

「スピークバディ」およびオンライン英語コーチング「スパルタバディ」という事業提供を通し、グローバルに活躍できる人材が少ない日本において、ミッションである「マルチリンガルになれる時代を創る」ことの実現を共に目指していきたいと思います。

スピークバディ:月額1,950円(税込み)
スパルタバディ:3ヶ月128,000円(税抜き)