リファラル採用から組織を変える「MyRefer」に投資する理由
採用・転職市場の新たな選択肢であるリファラル採用。雇用形態や人事制度に捉われない働く人と企業の信頼関係を通じて、雇用をアップデートします。

執筆: Universe編集部、共同執筆: 山口 和訓
2021年2月25日、グローバル・ブレインは新たな投資先として、企業のリファラル採用をサポートする「MyRefer」
スピンアウトからの急成長
MyRefer社はインテリジェンス(現:パーソルキャリア)
創業者であり代表取締役CEOの鈴木貴史氏は2012年に新卒でインテリジェンスへ入社、2014年に社内ベンチャー制度を活用してMyRefer事業を開始されました。その後のスキームが特徴的で、さらなる経営のスピードアップのため2018年8月にはグリーベンチャーズ(現・STRIVE)
その後もVCとして参画しているパーソルキャリアとの事業連携や支援を受けつつ、今回のシリーズBへとラウンドを進められました。
このように大企業の社内から生まれた新規事業をベンチャーキャピタルなどの外部資本を取り入れて成長させるスタイルは、私たちが投資するミラティブなどにも見られ、今後の日本のスタートアップエコシステムを活性化させたいという観点からも価値のあるケーススタディであると認識しています。
採用・転職市場の新たな選択肢
日本国内の求人広告市場は2018年度で9,528億円、人材紹介市場は2019年で3,080億円と内需だけでも広大(※)
MyReferは従業員が知人・友人を紹介して選考する「リファラル採用」
こうして本来巡り合えなかったマッチ率の高い候補者に出会えるだけでなく、従業員と企業を繋ぐ企業エンゲージメントの向上も支援しているのが特徴です。
ここでひとつ、ケーススタディを紹介させてください。MyReferが公表している事例の中でも私たちも出資検討で参考にした富士通様の導入事例です。
富士通様ではより多くの優秀な人材を確保するために、エージェントや求人媒体などの採用チャネルだけではなく、新たな採用チャネルの開拓が必要という課題認識を持っていました。そこでリファラル採用の手法を活用するわけですが、特に重視したのが「紹介しやすさ」
また、前述の通り、紹介者・被紹介者の管理やリファラル採用で募集する求人を一元管理できることに加え、全社員の活動データが見える化できるので、そもそも制度がどこまで浸透しているのか分かるという点も活用の決め手になったようです。
結果として同社は、導入1年で約20名(2021年1月現在、累計90名の採用)
リファラル採用のこれから
グローバル・ブレインではこれまでの投資先を含め、従来から多くのスタートアップにおいてリファラル採用はコア人材を獲得する上で有力な手段の一つになっていました。優秀な社員は優秀な人材と繋がっていることが多く、紹介で入社される方々は入社後のエンゲージメントが高い傾向にあると体感しています。
そのリファラル採用という手法がこの5年で多くの企業に拡がり、ようやく日本にも根付いてきたという印象があります。
特に次の伸びしろとして考えたいのが従業員と企業の関係構築です。社員の方々はライフイベントによって企業を離れる可能性があったり、大きな組織では別の部署にチャンスを求めたりすることもあります。こういった「社内公募」
このようにしてリファラル採用を入り口に、組織に関わった人々を大きな「アラムナイネットワーク」
MyReferは、日本の採用・転職市場が転職サイトや人材紹介事業者に多く依存している状況を課題と捉え、社内ベンチャーからMBOという形でスタートアップになりました。
私たちは早くからこの事業に取り組み、パイオニアとしてリファラル採用をけん引してきた鈴木さんの「つながりという信用情報から雇用をアップデートしていく」
※情報の参考出典
- 求人情報提供サービス市場規模調査結果および求人広告掲載件数等集計結果(日本の人事部)
- 人材ビジネス市場に関する調査を実施(2020年)
(矢野経済研究所) - 2020年の労働市場と人材サービス産業の役割(PDF・人材サービス産業の近未来を考える会)