年始のご挨拶と2024年の新戦略について

2024年もさらに飛躍の年とすべく、GBAFでも発表した新戦略を軸にチーム一丸となって邁進してまいります。

執筆: 百合本 安彦

あけましておめでとうございます。グローバル・ブレイン(GB)の百合本です。

2023年は2022年に比べると投資件数、投資額はやや減少しましたが、世界的な投資環境のピークだった2021年の実績は超えることができました。運営するファンドも新たに4つ増え、累計運用総額は2,604億円となっております。また、国内外で投資先企業6社が上場し、GBの累計Exit数100社を達成した記念すべき年でもありました。

2024年もさらに飛躍の年とすべく、年次イベントのGBAFでもお話した下記の戦略を軸に邁進してまいります。

  1. 支援体制の強化
  2. 新たな地域展開
  3. Climate Tech領域投資の加速化
  4. 組織力強化

1. 支援体制の強化

GBの社員数は2023年12月時点で126人と、グローバルで見てもTop3の水準にあります。投資担当者であるキャピタリストはもちろん、社内のプロフェッショナルチームが投資先企業をハンズオンで徹底してサポートできる体制を整えてきました。

ハンズオン体制とファンドパフォーマンスの関係を調べると、その体制が厚いほどパフォーマンスが高くなるというデータもあります。実際、GBのハンズオン支援先の事業価値成長率も、全体と比べると高い結果が出ています。

このハンズオン支援を中心となって牽引するValue Up Team(VUT)のナレッジは随時型化し、キャピタリストにも共有。社員全体の支援ケイパビリティを底上げし、投資先企業の事業価値最大化に貢献するサイクルができあがっています。

今後VUTはさらなる支援先社数を増やし、CVCおよび大企業との協業推進や海外展開支援強化を目指し、2025年までに30名体制を目指します。

2. 新たな地域展開

GBは9カ国に11拠点を構え、グローバルで投資を行っています。2022年には新たにアフリカのスタートアップへ投資しました。アフリカは生産年齢人口のピークが世界で最後に来る地域であり、これからの伸びしろに大きな期待が集まっています。

一方で現地のVCの動向を見ると、新興VCと老舗PE・開発金融機関をつなぐアーリー期の投資家が不足しているため、ここにGBの優位性が築ける可能性が十分にあります。

GBでは2021年からアフリカ地域への投資検討を開始し、4大経済圏を中心に周辺国を含めて各ステークホルダーとの連携を強化してきました。今後はアフリカ地域特化ファンドの設立を目指し、現地人材の採用も含め検討していきます。

3. Climate Tech領域投資の加速化

GBでは重点領域であるClimate Techに関して、領域専門のキャピタリストとTransportationやFood & Land Useなどサブセクターのキャピタリストが連携することで、網羅的にカバーできる投資体制を構築してきました。

投資環境を見ると、Climate Tech領域の投資額の80%以上が以前より注目の高いTransportation、 Energy、 Food & Land Useに集中しています。ただ一方で、対象は多様化してるため、GBとしては幅広くカバーしていくつもりです。

エリアで見ると最も大きな市場はヨーロッパで、中でもイギリス、スウェーデン、ドイツ、フランス、ポルトガルの投資額が大きくなっています。さらに、2023年8月までの3年間の累計投資額ではスウェーデンがトップで、イギリス、フランス、ドイツがあとに続く状況です。

グローバルのスタートアップハブの上位にある都市ということもあり、今年はスウェーデン・ストックホルムに専門キャピタリストが赴任する予定です。現地ネットワークの構築などを通し、Climate Tech領域の案件カバレッジをさらに上げていきます。

4. 組織力強化

当然ですが高い成果を出すためには、優秀な人材が必要です。2018年以降多くの新規キャピタリストを採用、Deep Tech人材をはじめ、様々な投資領域をカバーできる体制を構築してきました。またバックオフィス・ミドルオフィスを含め、様々なバックグラウンドを持つメンバーでチームが構成されています。

今後はさらに組織体制を強化すべく、投資委員会における議決権の分散、次世代リーダーの育成など、新たな試みにも積極的に取り組んでいきます。

GBは2024年も業界のリーダーとして投資活動を積極的に推進し、名実ともにグローバルトップTierVCを目指してチーム一丸で邁進していきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。