年始のご挨拶と2023年の新戦略について

2023年もさらに飛躍の年とすべく、GBAFでも発表した新戦略を軸にチーム一丸となって邁進してまいります。

執筆: 百合本 安彦

あけましておめでとうございます。グローバル・ブレイン(GB)の百合本です。

2022年は2021年に続き投資件数、投資額ともに過去最高となり、キャピタルゲインも100億円以上となりました。運営するCVCファンドも新規に2つ増え、ファンドの累計運用総額も2,000億円を超えております。

2023年もさらに飛躍の年とすべく、年次イベントのGBAFでもお話した下記の戦略を軸に邁進してまいります。

1.領域×地域の投資戦略

グローバルにおける各ステージポスト時価総額は高くなってきている一方、日本の上場時時価総額は約$60Mと低く、より高いリターンをだすには海外投資が必要です。

GBは9カ国に10拠点を構えており、各オフィスからの情報を基に、機動的に戦略策定できることが強みです。スタートアップエコシステムの状況や各領域キャピタリストの知見、マクロ経済や将来予測、各国の科学政策、VC動向などから、どの地域のどの領域に投資すれば最高のパフォーマンスをあげられるかを予測し、優先投資領域や投資地域を選定します。

特に世界的に見ても成長が見込まれるLife Science/Healthcare device、Climate Techなどの領域において、高いパフォーマンスが期待できる地域のスタートアップに投資していきたいと考えています。

2.投資戦略に連動したファンドレイズ

マクロ経済情報や現地の生の情報、将来予測を踏まえ、投資戦略と同様にファンド形態も領域×地域×ステージ×CVCで変化させていく予定です。

例えば地域やステージ別に特化した純投資ファンド、海外大企業によるCVCファンドなど、ファンドの多様性を追求し、高いパフォーマンスを再現性を持って実現することを目指していきます。

3.ハンズオン支援の強化

GBは様々な支援メニューを取り揃えておりますが、近年は投資先支援チームをさらに強化し、スタートアップの事業成長のため徹底的に支援しています。

国内有力スタートアップを支援するValue Up Teamや大企業への営業支援を軸としたスタートアップのPMF達成支援を行うBiz Dev Teamを始め、知財、採用、PR、IRなど幅広い専門家を抱えることで、投資先企業の課題やニーズに合わせたメニューを提供してきました。

2023年も引き続き世界最強の支援チームを目指し、人員を増強していく予定です。

4.CVC支援の強化

CVCが関与する投資金額はグローバルで5割、国内で6割と高い比率を占めており、昨今のスタートアップエコシステムにおいて大企業は重要な役割を担っています。

GBは11のCVCを運営していますが、今後も新たなCVC組成に向けて活動中であり、その支援体制も拡充して行く予定です。

2022年にはCVC支援室を発足し、設立のサポートからパフォーマンス測定に至るまでCVC運営の支援体制を整えております。今後もCVC運営の効率化のためのシステム開発など、CVC投資活動に注力するための環境づくりを推進していきます。

5.地域活性化

日本全体の成長のためには、地方創生の観点も重要です。起業場所の選択肢を増やすこともそうですし、地方から生まれる新しい技術やビジネスを発掘し、成長の支援を行っていきたいと考えています。

その足がかりとして、今年新たに関西事務所を開設する予定です。関西方面のパートナー企業様へのフォローに加え、地域経済の深い理解と新たなネットワーク構築等により地域経済の活性化に貢献していきます。

6.組織体制強化とESG経営の推進

グローバルへの投資を加速していくためにも、日本、シンガポール、ヨーロッパの3本部体制で臨みます。2022年には海外スタートアップへの投資のため、シンガポールのVCライセンスを取得しました。今後はより強力に海外スタートアップ投資を後押しし、投資活動のさらなる多様化を図っていきます。

また、GBは業界のリーダーとしてESG経営を推進しています。すでにスタートアップのステージに応じたESG運用や意識醸成に取り組んでいますが、今後はインパクト投資ファンドの組成もできればと考えています。

市況が悪化している中ではありますが、こういう時代だからこそスタートアップの力は重要です。GBは2023年も業界のリーダーとして投資活動を積極的に推進し、名実ともにグローバルトップVCを目指してチーム一丸で取り組んでまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。