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グローバル・ブレインの「Value Up Team」が手がける支援策

投資実行したスタートアップに対して、支援先のニーズに合わせる形で戦略立案・実行、BizDev、HR、知財、PRなどで支援を実施しています。

執筆: Universe編集部、共同執筆:Value Up Team

グローバル・ブレイン(以下、GB)は、投資先企業のグロースを目的とした支援チームを強化しました。このチームは、投資実行したスタートアップに対して、支援先のニーズに合わせる形で戦略立案・実行、BizDev、HR、知財、PRなどで支援を実施しています。今回紹介する2020年9月より新設された戦略立案・実行支援を担当する「Value Up Team」の主要なチームメンバーは次の3名です。

慎 正宗
Strategy / Biz Dev
BCG、三陽商会等を経てGBに参画。戦略コンサルではBtoC事業を中心とした戦略立案・実行支援、およびファンド投資案件におけるハンズオンサポート等に従事。三陽商会では執行役員として経営戦略・デジタル戦略を統括。事業再生フェイズでの戦略立案および、DX推進・新規事業開発・M&A・JV立ち上げ等の成長戦略の実行をリード

定国 直樹
Strategy / Management
2013年よりピンタレスト・ジャパン株式会社代表取締役社長に就任し、2018年からはアジア・パシフィックを統括し、同ビジネスのアジアにおける急成長に貢献。ピンタレスト以前は、スクエア・ジャパンでカントリー共同責任者、グーグル・ジャパンでプロダクトマーケティング統括部長、マッキンゼー&カンパニーで戦略コンサルタント等を経験

伊藤 暁央
Strategy / Biz Dev
電通デジタル、メルカリを経て、GBに参画。電通ではEC、金融関連の顧客に対するコンサルティングに従事。メルカリではマーケティング戦略策定、組織立ち上げの他、データアナリストとしてCRM関連の分析、顧客育成モデル策定に従事するなど幅広くグロース領域に関与

経営者の課題意識に寄り添う「仕組み」の提供

まず、この取り組みをお伝えする前に、私たちのポリシーをお伝えさせてください。

素晴らしいプロダクトやサービスを持っていても、それを急成長に繋げるためのリソースやケイパビリティー、型が不足していることはまた別の課題です。

ベンチャーキャピタルによるバリューアップの取り組みはスタートアップ・エコシステムが成熟した米国などで先行しており、キャピタリスト個人のハンズオンというよりは、専門チームとして支援先の成長を加速させるスタイルが広がっています。

プロジェクトは経営者とのヒアリング・課題意識の擦り合わせからスタートします。成長に必要なことにも関わらず、リソースやケイパビリティが理由でできていないことはGB社内リソースだけでなく強力な外部パートナーに協力を仰いで「必ずやり遂げる」ことが大切です

一方、私たちは押しかけのコンサルではありません。

ずっと支援をし続けたのでは企業としての自律性・自主性に影響を及ぼします。そこでGBのバリューアップはPJ型/期間を決めた支援としています。

重要なポイントは「経営者・経営陣の課題意識やニーズが低かったり、自分たちでもできることであればやらない」ということです。あくまでもスタートアップに不足しているリソースやケイパビリティーを補完するものであり、最終的には自社のケイパを持って自立独立してもらうことが目標だからです。

支援テーマ

今回発足したそれぞれの支援メニューを解説します。

戦略策定・実行支援では、ひとつ目の事業が立ち上がっているケースにおいて、その次となる事業や新しいターゲットセグメントの設定、具体的なGrowth戦略の立案などを一緒に検討します。そして、これら立てた戦略に基づくBiz Devや営業支援、デジタルマーケティング支援ではデータ分析/調査に基づいた顧客理解・施策評価/KPIモニタリング等をPJ型で現場メンバーと共に推進します。

また、採用、IPO戦略、法務、知財、ファイナンス、PR、そして業務管理などの足回り(経営企画)も重要なテーマです。特に採用についてはGBHRという採用専門の法人を立ち上げており、採用に関するコストや戦略面での負担軽減を目指していますし、その他も外部の協力パートナーと連携し、必要な支援をしています。

外部の協力を得て「必ずやる」

これまでもGBではキャピタリストが個人の知見やネットワークを活用してサポートをしてきています。一方、それぞれに得意・不得意領域があり経験も異なるため、それぞれのスタートアップが持つ課題に対して的確なサポートが提供しきれていないケースもありました。

今回のバリューアップチームはそれを補完するための仕組みですが、やはり同様に内部チームだけでは受け止めきれないケースも出てくると思います。

そこで第3の矢として提供するのが「外部パートナー」の存在です。例えば、製品デザインについてのノウハウが必要と判断したあるケースでは、ソニーに協力を得てデザイン監修を手がけるところまでやっています。同様に、知財・PRなど専門性と経験を持つスペシャリストを登用し、高いレベルで回答ができるよう体制を整えています。

キャピタリストが持つ熱意とバリューアップチームの「型」、そして外部を含めたスペシャリストの専門性を組み合わせることで、より的確な成長を期待できる仕組みを提供する。これがGB・バリューアップの強みです。

ケーススタディ:アクセルスペース

Image credit: アクセルスペース
Image credit: アクセルスペース

では、実際にどのような取り組みをしているのか、少しだけ開示してみたいと思います。超小型衛星技術のパイオニアとして高い技術力を持つアクセルスペースは、これまで11機の超小型衛星の開発・打上げに成功しているスタートアップです。

一方、創業経営者陣は自身が優秀なエンジニアではあるものの、市場・顧客のニーズを捉えた事業化・サービス開発・拡販のためのGo to Market戦略の立案・実行には一定のハードルを抱えていました。そこで私たちは、営業戦略実行PJを提案し、下記のような内容で支援を実施しています。

  • 既存プロダクト(衛星画像提供)の展開可能性のある、ターゲット業界・企業の特定
  • ターゲットロングリスト/ショートリスト策定
  • 既存プロダクトの転用による新サービスの提案(BCP対応型ビジネス)
  • 拡販に向けたパートナー/代理店戦略立案・提携交渉
  • BtoB営業実行支援(営業資料作成、パイプライン管理、週次のモニタリング)

このバリューアップチームの支援が的確であり、これをGBから出資を受ける要素として認知してもらうことが理想であり、目指すべき姿です。

もう少し噛み砕いて言うと「株主・経営者の視座を持ちながらも、現場に一番近いチーム」「感謝されるおせっかい部隊」といったところでしょうか。そのために、机上の空論やアドバイスに留まらず、実際に現場レベルと一緒に手を動かし結果に繋げるチームでありたいと考えています。

GB Universeでは、今後も支援メニューや事例の紹介をしていきます。お楽しみに!