スタートアップに700名を呼び込んだ、グローバル・ブレインの採用支援「GBHR」

GBHRが動き出しておよそ1年。スクラッチから支援体制、プログラムを構築し、人材の呼び込み数はおよそ700名に到達しました。

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GBHR経由で採用が決まったアクセルスペース社のCFO 青本氏。

執筆: Universe編集部、共同執筆: GBHR Team

スタートアップを語る時、何をやるかよりも「誰が」やるのか、そして「誰とやるのか」という視点が年々重要になってきています。これは特にインターネットビジネスの均一化、競争優位性を見つけることの難しさが背景にあります。この視点から、支援するベンチャーキャピタルはまず、人・組織に関わる箇所に力を入れるのが戦略上、非常に重要視されています。

グローバル・ブレイン(以下、GB)ではこの点においていち早く、昨年8月時点で採用に特化した「GBHR」を法人子会社として立ち上げました。投資先への人材紹介はもちろん、ダイレクトリクルーティングやリファラルといった採用サービスの運用代行も実施し、文字通り「支援先と一体化」してこの課題に取り組んでいます。

GBHRが動き出しておよそ1年。スクラッチから支援体制、プログラムを構築し、人材の呼び込み数はおよそ700名に到達しました。スタートアップという非常に狭き門ですが、既に14名の入社決定をサポートし、CxOレベルを含む、マネジメント層で重要度の高いポジションをサポートさせていただくことが多くなっています。

コロナ禍における採用支援の意味

実は採用支援において重要なポイントに「コスト」の問題があります。数多く人材紹介などの仕組みがある中、GBが子会社の設立にまで踏み切った背景にはこの手数料問題がありました。一般的に人材紹介の世界では「年収の35%」という紹介フィーの基本的なルールがあります。

成長期のスタートアップはPLを赤字にして成長投資を先行させるわけですから、バーンレートを抑えるのは鉄則です。まして、現在はコロナ禍で先行きについても不透明となりました。私たちは以前にあったリーマン・ショックの時のような急激なV字回復は見込めず、じわりと回復していくだろうという予測も持っています。

時間がかかる分、今、準備ができる企業は数年後に強くなる可能性が高い。一方で余計なコストはカットしたい。こういった面でも直接的に採用や組織に関する相談を受けることができるチームを持っていることは、支援先にとって力になると考えています。

自分自身で採用力を付ける

もう一つ、忘れてはいけない視点が自社における採用力の強化です。一般的にスタートアップでは専属の採用担当がまだおらず、CEOやCFOが採用を兼務されていることも多いです。これが結果的に「丸投げ」を生み出す要因のひとつなのですが、私たちGBのHR支援チームでは担当するキャピタリストと連携しながら、投資先と要件をすり合わせ、ターゲット層を一緒に特定します。

そこから人材のソーシングに入るわけですが、残念ながら一般的な人材紹介エージェント経由で、スタートアップのような特殊な環境に対して多数の候補者を送り込むということはハードルが高くなります。だからこそ、必要なのが採用媒体等の活用です。

私たちは支援先と採用媒体を一緒に運用するスタイルを取っています。手が足りない場合はダイレクトスカウティング運用そのものを代行することも可能で、さらに採用手法や人材マーケットを投資先に共有し、オファーフェーズの繊細な交渉までサポートすることで、投資先が自社内にて採用力を上げることも狙っています。

このようにして自社に候補者を集める力を一緒に付けていくことで、人材プールやノウハウも溜まっていきますし、どこかのタイミングで巣立つことができるようになると考えています。また、ワンストップでの支援体制を構築したことで、緊急度や難易度の高いポジションもスピーディーに対応できるのが特徴です。

GBでは資金提供以外の価値提供を常にテーマとして考えています。特に人材採用や組織支援は米国の著名VCで当然のように注力されるようになりました。日本国内でも投資×HRというのはここ数年VC業界でひとつのテーマでしたので、さらにこの動きを加速させていきたいと考えています。