GB Tech Trend #022: ECの「返品体験」をアップデートするHappy Returns、PayPalが買収
商品を箱に詰めることなく、そのまま預けるだけで返品処理をしてくれる利便性の高さがウリです。

執筆: Universe編集部
グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。
今週の注目テックトレンド
5月14日、PayPalがEC返品ソリューションを提供する「Happy Returns」
TechCrunchによると全米1,200都市以上・2,600超の拠点に展開しているそうです。実店舗で商品を購入した際と比べて、EC商品は3〜4倍の高さで返品されるそうで、実店舗とECとのギャップ市場を狙っているのがHappy Returnsと言えるでしょう。
Happy Returnsの事業モデルはネットワークビジネスと言えます。創業初期から着実にショッピングモールや配達業社の集荷拠点にもなっている小規模店舗との提携をしてきました。並行してECブランドとの連携も強化。Happy Returnsに返品商品が持ち込まれた際、ECブランド側の在庫管理システムにも情報が伝わり、迅速に顧客をケアできるようになりました。
同社の提供価値は次のようなものです。
- 利用顧客はいつも利用している店舗で返品処理できる利便性が受けています。
- 利用EC企業は、これまで1つ1つの返品商品の管理及び配送コストに多大な出費をしてきました。そこでHappy Returnsが一定量の返品商品が貯まるまで商品を貯め、一斉に送り返す仕組みを提供することで、在庫管理や配送コストを下げる提供価値を生み出しています。
- 提携する返品拠点となる実店舗に対しては、集客数を上げることで貢献しています。
Happy Returnsの創業者らは大手小売「Nordstorm」
フィンテック企業であるPayPalもコロナ禍のEC市場の急成長に伴い、さらに同市場へのテコ入れをしたい戦略が垣間見れます。また、ワクチンが普及しはじめた、いわゆる「ポスト・コロナ」
具体的には実店舗とECの両市場を広く手中におさめる対Amazonへの戦略的な対抗意図を感じます。
Amazonは生鮮食品店舗「WholeFoods」
今週(5月10日〜5月17日)の主要ニュース
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