GB Tech Trend #094: 生成AI過熱で注目再び「データラベリング」とは——12万人が登録するProlific
同社が提供するのは人間のフィードバックによるAI強化学習サービスです。

執筆: Universe編集部
今週の注目テックトレンド
GB Tech Trendでは世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。
ロンドンを拠点とするAIスタートアップ「Prolific」
OpenAIとChatGPTの登場で再びAIに注目が集まっていますが、中でも大きな話題になるのがAIを教育するためのデータの存在です。著作権などの問題も含まれているのでこの扱いは複雑ですが、一旦そのあたりは割愛して、この膨大なデータを「整理」
今回ご紹介するProlificはこの領域のスタートアップです。AIが生成した複数のアウトプット(選択肢)
Prolificは約12万人に及ぶキュレートされたテスターネットワークをヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの7カ国に持っているそうです。元々は学術研究のために信頼性のあるフィードバックを提供してくれる参加者を集めるという課題解決に取り組んでおり、大学や研究機関向けにサービスを提供していました。実際、今回の資金調達ではオックスフォード大学と提携するファンド「Oxford Science Enterprises」
さて、Prolificの登場は、2019年にユニコーン企業になったデータラベリングスタートアップ「Scale AI」
今回紹介したProlificの3,200万ドルの調達も、2019年頃を一旦ピークとして迎えたデータラベリング市場の一片だと捉えられるでしょう。ここからの市場はProlificのように徐々にニッチなものへと向かっていくことが予想されますが、だとしても依然としてニーズは大きく、大型調達が望めそうです。
最近ではOpenAIがケニア在住のテスターを安価、かつ大量に雇用してAIの学習プロセスをスケーラブルに進めていることが問題となっています。2019年頃と比べて、世界的にAIの動向が確実に厳しく精査されつつある中、透明性の高い人間によるAI学習サービスの在り方が求められています。Prolificはこの市場動向に正しくアプローチしていると思われます。これからは人種・職種・性別など、よりカテゴリーニッチな人間によって学習された精度の高いAIの登場が待望されていることから、ハイエンドなテスター人材ネットワークを抱えたスタートアップに注目が集まるかもしれません。
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