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GB Tech Trend #072: SNSの新常識「BeReal」は広まるのか?

BeRealの投稿フォーマットが、他社SNSに実装される流れが出てきています。

1,000万デイリーアクティブユーザーを誇る「BeReal」(Image Credit: BeReal)
1,000万デイリーアクティブユーザーを誇る「BeReal」(Image Credit: BeReal)

執筆: Universe編集部

今週の注目テックトレンド

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過去数週間の間に、大手SNS「Snap」や「Instagram」が立て続けに新たな投稿フォーマットの実験的導入を検討しているというニュースを見かけるようになりました。それが「本物の友情を築こう」をキャッチコピー にする新興SNS「BeReal」のフォーマットを真似たものです。

BeRealは2020年にフランスで創業されたシリーズBラウンドのスタートアップ。現在、デイリーアクティブユーザー数が1,000万を超えているとも報じられている注目のSNSです。

同SNSは、デュアルカメラ撮影が特徴の1つです。背面カメラだけなく、フロントカメラでの自撮り撮影も投稿しなければなりません。1日1回、アプリから通知が送られてきて、2分以内の写真投稿が求められます。時間制限が課されていることで、ありのままの生活シーンを写真で切り取り、加工に時間を費やすことも自然となくなる仕様になっています。過去の写真は毎日リセットされ、閲覧できなくなります。

加工、脚色された写真が溢れるようになってしまった昨今のSNSに対してのアンチテーゼとも言えるアプローチです。BeRealは、この手法をベースにUXを構築し、誰もが友達同士のように生活感あふれる写真交換を可能としました。

このBeRealの投稿フォーマットが、他社SNSに実装される流れが出てきています。振り返れば、Snapが発明したストーリーズ機能も、徹底的にInstagramやFacebookに模倣され、今では基幹機能の1つになりました。同じような流れが発生しつつあるとみてよいでしょう。

ただし、BeRealの世界観をそのまま踏襲できるSNSと、そうでないSNSに分かれることが想像できます。もともとBeRealは、生活シーンの切り取りをベースにしたUXを作り上げています。この点、「Best Forever Friends(大親友)」同士のコミュニケーションに特化しているSnapchatにはベストマッチしそうな予感を感じています。

一方、自分のあられもない顔写真を投稿しなければいけないフォーマットが、「映える文化」が行き届いたInstagram等で広まるのは、少し考えにくいかもしれません。必ずそこには、「どんなコミュニケーションを想定しているのか?」というコンテキストに回答する必要があるためです。そのためストーリーズのように、どのSNSにも基本実装される未来がやってくることは、少し信憑性が低いかもしれません。

さて、BeRealにも似たアプローチは、過去にも見られました。世界的YouTuber、Casey Neistatが発表した「Beme」は、スマートフォンのカメラ越しの世界ではなく、ユーザーが見ている世界そのままを撮影して共有する写真SNSをコンセプトにしていました。Bemeでは、ユーザーは胸にスマートフォンの画面(フロントカメラ)を押しつけ、その状態で見ている景色を撮影します。こうすることで、ありのままの世界をシェアする文化を作ろうとしたのです。最終的にはCNNに買収されました。

また、友人のタイムラインを、自分が撮影する写真で埋めていくSNS「Poparazzi」もその範疇に入るでしょう。ユーザーの評価が、他の人に映っている姿や印象によって決まる体験を、そのままSNSで再現したユニークなコンセプトです。Poparazziも、脚色された写真ではなく、ありのままに映っている友人の写真を投稿し、自分だけ盛り上がる世界は作れない意図が盛り込まれています。ちなみに同社は6月に1,500万ドルの調達を発表しています。

BeRealの投稿フォーマットが世界的に受け入れられるかは未知数な部分もありますが、こうしたアンチ大手SNSにまた新たなチャンスが眠っているのかもしれません。

8月23日〜9月5日の主要ニュース

1,100万ドルの調達をした「Populus」(Image Credit:Populus)
1,100万ドルの調達をした「Populus」(Image Credit:Populus)

都市のモビリティデータサービス「Populus」、1,100万ドル調達

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Avalanche系の暗号通貨スタートアップ「GoGoPool」500万ドル調達

Avalanche上に構築された分散型トークン化システムを使用する暗号通貨スタートアップ「GoGoPool」は、Framework VenturesとCoinfundが共同主導し、さらにAvalaunch、Republic Capital、Flow Tradersなどが参加したシードラウンドで、500万ドルを調達した。— 参考記事

バーチャル不妊治療クリニック「Apricit」、約1690万ドル調達

バーチャル不妊治療クリニックを運営するロンドンのスタートアップ「Apricit」がMTIPリードで1,691万ドルのラウンドを調達した。Iris Venturesも参加した。— 参考記事

ファンタジー・スポーツ「Draftea」が2,000万ドルの調達

スペイン語圏、ラテンアメリカ初のデイリー・ファンタジー・スポーツ「Draftea」は、Stepstone Groupがリードし、Sequoia Capital、Kaszek、Bullpen Capital、Courtside Ventures、プロスポーツ選手のCristiano Ronaldo氏, Travis Kelce氏, Kevin Durant氏, Jorge Mendes氏が参加した2,000万ドルのラウンドで資金を調達した。同社は総額3,720万ドルを調達している。— 参考記事

ジェンダーニュートラルな美容ブランド「Adwoa Beauty」400万ドル調達

多文化な髪質に対応した、無害でジェンダーニュートラルな美容ブランドを展開する「Adwoa Beauty」が、Pendulumから400万ドルのラウンドを調達した。— 参考記事

クリエイター向け商品立ち上げ支援サービス「Warren James」600万ドル調達

クリエイターがユニークな商品ブランドを立ち上げることを支援する「Warren James」、Crossbeam Venture Partnersをリードに、FJ Labsも参加したラウンドで600万ドルの資金を調達した。— 参考記事