GB Tech Trend #065: ハイブランド向けWeb3「Arianee」が目指すデジタルツインな未来
デジタル世界におけるブランド商品の楽しみ方も登場し、顧客接点をデジタル世界へと拡げる必要性が出てきました。

執筆: Universe編集部
今週の注目テックトレンド
GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。
ファッションブランドがNFTを作成・配布するためのWeb3ソリューション「Arianee」
NFTは該当商品の属性や履歴などの情報を伝えることができるほか、商品のAR体験や、ブランドがNFTの保有者にロイヤリティ報酬を送ることができる「エアドロップ」
Arianeeは、LVMH、Prada、Richemont’s Cartierが2021年に立ち上げたブロックチェーン・プラットフォーム「Aura」
さて、今回のArianeeは物理商品に紐づく形のデジタルデータを配布する「デジタルツイン」
従来、ブランド側は物理商品の購買活動だけでしか顧客接点を持つことができませんでした。
しかしNFTの概念が普及してから、メタバースを中心にデジタル世界におけるブランド商品の楽しみ方も登場し、顧客接点をデジタル世界へと拡げる必要性が出てきました。そこで物理商品にリンクする形でNFTを発行し、物理とデジタル、両方におけるブランド体験を包括的に提供する仕組みが求められ、Arianeeのようなサービスが登場しているのです。
ただし、NFTを作成・配布するだけがArianeeの真価ではありません。NFTホルダー向けにブランドが独自トークンを発行する機能があり、これによりトークンベースに顧客接点を長期的な視点で持つことができるようになります。
ブランドファンの活動によりトークンを通じた報酬提供ができるので、たとえばメタバースでどの程度ブランド商品NFTを楽しみ、エンゲージし、周りのユーザーに周知してくれたのかといったアンバサダー的な動きの指標を元に、報酬提供する仕組みが将来的に登場してくるかもしれません。
NFT配布をベースにしたデジタル世界とのブリッジ、そしてトークン配布による長期ファンコミュニティ育成。この2つの実現性こそがArianeeのサービス価値だと言えるでしょう。NFT市場の加熱は日本にも伝わってきていますので、Arianee同様のサービスが今後登場してきてもおかしくないでしょう。
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