GB Tech Trend #063: インタラクティブNFTへと変貌させる「Revise」の真価とは

NFTにおいても一歩進んだ考え方を導入する必要があります。

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今回350万ドルの調達を発表した「Revise」(Image Credit:Revise)

執筆: Universe編集部

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

4月30日にドロップされた、世界的NFTコレクティブル「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」が発表したメタバースプロジェクト「Otherside」。同プロジェクトは複数の人気NFTの世界をつなぐオープンワールドゲームで、NFT化されたキャラクターが交流するデジタル世界を作ろうというものです。Othersideが最終的にどの程度まで拡大するかは未知数ですが、着実に私たちの世界にNFTやメタバースの考えが広がっているのは間違いなさそうです。

一方、NFTにおいても一歩進んだ考え方を導入する必要があります。というのも、単なる投機対象としか見られていない一般感覚からのパーセプションチェンジを図る必要があるからです。その答えの1つを指し示すのが、今回紹介するNFTスタートアップ「Revise」です。

ReviseはNFTを外部のデータパラメーターと紐付け、関連性の高いトリガーに基づいた、インタラクティブNFTへとアップデートさせる技術を開発しています。たとえばYahoo!の天気予報のデータフィードに基づき、気温に連動した形でNFTキャラクターの服装を変えることもできます。開発者はRevise SDKを使用することで選択したデータフィードに基づくトリガーをセットアップできるのです。

Reviseは4月28日、AlphaWave Globalと8iがリードするシードラウンドで350万ドルを調達しています。本ラウンドでは他に、PolygonのSandeep Nailwal氏、DEFI PulseのScott Lewis氏、AngelListのUtsav Somani氏、Bharat Founders Fund、TreeboのRahul Chaudhary氏らが参加しています。

私たちの住む物理世界のイベントに反応する、インタラクティブNFTをスケーラブルに生み出す可能性を持つRevise。同社を筆頭とするNFTプログラミング・レイヤーサービスが普及した近い将来、たとえば冒頭で紹介したOthersideのような世界観も私たちの生活体験をトリガーにしたモノへと進化することでしょう。

今回350万ドルの調達を経たReviseの動きは未だ小さなニュースかもしれませんが、これからのメタバースとNFTの将来を予期するに足る、示唆に富んだ話題ではないでしょうか。

4月19日〜5月2日の主要ニュース

小売特化のTVネットワークを提供する「Clerk」(Image Credit:Clerk)
小売特化のTVネットワークを提供する「Clerk」(Image Credit:Clerk)

Grocery TVネットワークを開発・提供する「Clerk」、3,000万ドル調達

テキサス州オースチンを拠点に、Grocery TVと呼ばれるブランドや小売業者が活用できる店舗内小型デジタル広告ネットワークを提供する「Clerk」は、Sageview CapitalをリードにシリーズBラウンドとして3,000万ドルを調達した。— 参考記事

プライバシー特化の検索ツールを提供する「Enveil」、2,500万ドル調達

プライバシーに焦点を当てた検索・分析ツールを開発する「Enveil」は、USAAのリードにシリーズBラウンドとして2,500万ドルを調達した。その他の投資家には、Mastercard、Capital One Ventures、Bloomberg Betaなど、多数の企業が名を連ねている。— 参考記事

ポイント・インフラAPI企業「Kard」、2,300万ドル調達

カード会員向けにカスタマイズされたポイント・プログラムの構築を支援するポイント・インフラAPI企業「Kard」は、シリーズAラウンドとして2,300万ドルを調達した。Tiger Globalが本ラウンドをリードし、Fin Capital、s12f、Underscore VC、およびそのほかエンジェル投資家が参加した。— 参考記事

ソーシャルテックDAOスタートアップ「Ribon」350万ドルを調達

ブラジルを拠点に、慈善寄付をゲーム化するDAOプラットフォーム「Ribon」は、Valor Capital Groupがリードするポストシードラウンドで350万ドルを調達した。本ラウンドでは他に、Bitkraft、Kenetic、Flori Ventures、2TMファンド、Yield Guild GamesのCEO Gabby Dizon氏、BalancerのCEO Fernando Martinelli氏らが支援を行っている。— 参考記事

がん患者向け医療AIスタートアップ「52 North Health」、100万ポンド調達

英国ケンブリッジを拠点とし、癌患者向けの臨床用AIと医療機器ベースのシステムを開発する「52 North Health」は、Cambridge Enterpriseがリードするラウンドで100万ポンド(126万ドル)の資金調達を実施した。同社の最初の製品は、化学療法で生命を脅かす可能性のある合併症「好中球減少性敗血症」のリスクを監視するものになる。— 参考記事

ヘアカラー美容ブランド「Madison Reed」が3,300万ドル調達

サンフランシスコを拠点に、ヘアカラー美容ブランドを展開する「Madison Reed」はSandbridge Capitalがリードし、Marcy Venture Partnersが参加した新たなラウンドで3300万ドルを調達した。同社は本資金の一部を実店舗での事業拡大に充てる予定。現在、累計約2億5000万ドルを調達している。— 参考記事