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GB Tech Trend #055: スマホARでコマース市場の開発需要を取り込む「Avataar」

自宅にいながら商品の大まかなサイズや使い勝手を知るニーズが高まっています。

4,500万ドルの調達を発表した「Avataar」(Image Credit:Avataar)
4,500万ドルの調達を発表した「Avataar」(Image Credit:Avataar)

執筆: Universe編集部

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

気軽に店頭へ出掛けて行き、家具や家電商品を確かめられなくなった昨今、スマホARを使って自宅にいながら商品の大まかなサイズや使い勝手を知るニーズが高まっています。

今回4,500万ドルの調達を発表したのはコマース市場においてスマホAR技術を提供する「Avataar」です。Avataarのシステムを導入したEコマース・マーケットプレイス事業者らは、自社で扱う商品の3D表示機能を追加できるので、ユーザーは手軽にリビングルームや自室で商品を仮想的に試し、購入後のミスマッチを減らすことに貢献してくれます。

スマホAR領域で有名な事例には「IKEA」や「Shopify」があります。なかでもIKEA ARアプリは先駆的な印象で、コマース領域におけるAR利用とエンゲージメントの高さを誇っています。Shopifyもプラットフォーム利用者向けにAR機能を提供しています。また、利用導線のわかりづらさが目立ちますが、実はAmazonもARショッピング機能を長く提供しています。

https://youtu.be/H_jkw04GgXY

ARショッピング領域の前身になっているのが、ウェブでコンテンツをリッチ展開するデザイン・トレンドです。たとえばGUCCIなどはキャンペーン・ページ展開時に積極的に開発リソースを投入して、商品体験を拡充させています。動的に動くウェブページでは、商品のストーリー性がよく伝わるようにデザインされています。

また、トランクケース・ブランド「RIMO」のように2DWebサイト上に3D商品を表示しているサイトもしばしば見かけるようになりました。ユーザーが商品を自由に扱いながらも、ブランド側で注目してもらいたい箇所には注釈を入れて説明を読んでもらう上手い導線がなされています。説明を読みながら商品が実際に動くようなウェブ上での商品リッチ体験は長く評価されており、過去のウェブデザインのアワードに表彰されているのはRIMOのような企業でした。

さて、こうしたウェブサイト上は必然的に高いデザイン力が求められます。サイト開発にも一苦労するでしょうし、商品の体験ストーリーを紡ぐための労力も高いでしょう。

そこで登場するのがスマホARの領域です。これまでサイト上だけで完結していた商品体験を現実上に拡張できるようになり、かつ、上記で紹介してきた企業のように商品のストーリー性や使い勝手を細かく、直感的に伝えられます。

Shopifyも同社利用の事業者が簡単にショッピングAR機能を使えるようにノーコード開発機能を提供しています。ただ、Avataarの場合はShopifyのようなプラットフォーマーに、その基盤となる開発ソースを提供する「プラットフォーム・オン・プラットフォーム」の市場ポジションを確立しようとしており、市場の切り分けが変わってきます。ユーザー需要が高まるトレンドの中、B2B事業として拡大する非常に上手いグロース戦略を採用していると言えます。

12月28日〜1月10日の主要ニュース

1,500万ドルの調達を発表した「Arcade」(Image Credit:Arcade)
1,500万ドルの調達を発表した「Arcade」(Image Credit:Arcade)

NFTフィンテック企業「Arcade」が1,500万ドル調達

分散型金融プラットフォームで、ユーザーが保有するNFTの価値を担保に借り入れができるようになる「Arcade」は、Pantera CapitalがリードするシリーズAラウンドで1500万ドルを調達した。本ラウンドの他の投資家には、Castle Island Ventures、Golden Tree Asset Management、Quiet Capital、Franklin Templeton、Lemniscapなどが含まれている。— 参考記事

「ボーダーレス・エコノミー」を謳う「MetaMap」が7,000万ドル調達

ボーダーレス・サービスのインフラレイヤー技術を提供する「MetaMap」は、シリーズBラウンドとして7,000万ドルを調達した。本ラウンドはTribe Capitalがリードし、Craft Ventures、Alameda Researchのほか、Snapdealの共同創業者であるKunal Bahl氏やInsight Partnersの共同創業者であるJerry Murdock氏など、多数の著名な個人投資家が参加している。— 参考記事

NFTベンチャーファンド「Metaversal」が5,000万ドル調達

NFTに特化した投資企業兼ベンチャー・スタジオである「Metaversal」は、シリーズAラウンドとして5,000万ドルを調達し、評価額は1億8,100万ドルとなった。CoinFundとFoxhaven Asset Managementが本ラウンドをリードし、Digital Currency Group、Dapper Labs、Rockaway Blockchain Fundのほか、Franklin Templetonのような企業も参加した。— 参考記事

会議向けAIアシスタント「Avoma」が1,200万ドル調達

AIベースのミーティングアシスタントである「Avoma」は、シリーズAラウンドで1,200万ドルを調達した。Headlineがリードし、Storm Ventures、GFC、Zoom、Operator Partners、Industry Ventures、K9 Ventures、Dragon Capital、Twin Venturesらが参加しました。— 参考記事

Eコマースの商品ウェイトリスト機能を提供する「Purple Dot」が400万ドル調達

ロンドンを拠点とするEコマースのウェイティングリスト・プラットフォーム「Purple Dot」は、Unusual Venturesをリードに400万ドルの資金を調達した。本ラウンドには、Connect Ventures、Moxxie Ventures、アーリーステージの投資家であるPaul Forster氏など、以前からの支援者も参加している。 — 参考記事

水頭症向けウェアラブルセンサー「Rhaeos」220万ドル調達

臨床段階の医療機器企業で、脳脊髄液の異常な蓄積によって引き起こされる生命を脅かす疾患である水頭症を対象とした、ワイヤレス・ウェアラブルセンサーを開発する「Rhaeos」は、シードラウンドで220万ドルの調達を発表した。本ラウンドの参加者にはCreative Ventures、Portal Innovations、Lateral Capital、Cedars-Sinai Acceleratorなどが名を連ねている。— 参考記事

デジタル・コレクティブルズ企業「Tibles」、300万ドル調達

デジタル・コレクティブルズ企業「Tibles」は、Cadenza Venturesをリードに300万ドルのシードラウンドを実施。以前からの支援者であるDapper Labs(Flowを開発)も参加している。— 参考記事