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GB Tech Trend #054: 視聴者の選択でストーリーが変わる「インタラクティブ技術」の可能性

「動画元年」と言われて久しく、SNSを中心に様々なフォーマットの動画が広く普及しました。

500万ドルの調達を発表した「Adventr」(Image Credit:Adventr)
500万ドルの調達を発表した「Adventr」(Image Credit:Adventr)

執筆: Universe編集部

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

「動画元年」と言われて久しく、SNSを中心に様々なフォーマットの動画が広く普及しました。今回紹介する「Adventr」はそんな動画の形式をさらに一段先に進める技術を持っていそうです。

12月21日に同社は500万ドルの資金調達を発表しています。動画ストリーミング企業向けのSaaSを提供しているスタートアップで、視聴者が動画シナリオを選択できる「インタラクティブ性」を楽しむための機能を開発しており、スクリーンをタップもしくは音声によってシナリオ選択できる仕組みを持っています。

とりわけ、音声コマンドを通じてコンテンツ選択機能「SmartListen」は特許を取得しており、広いユースケースを獲得できそうです。例えば映画を観た際、観客の掛け声によって主人公たちの行動が変わったり、アクションが変化したりするインタラクティブ性を導入することができます。映画館での楽しみ方を大きく変える可能性を持つアイデアで、Adventrのサービスが単にストリーミング動画だけを見据えているわけでないことが伺い知れます。

さて、こうしたインタラクティブ動画は、昨今のトレンドになりつつあるグループSNS系アプリと相性が良いと考えます。たとえばはiOS 用の映像コンテンツ視聴アプリ「Whatifi」が挙げられます。同アプリはインタラクティブなストーリーコンテンツを提供。最大9名の友人と一緒に映画を観て、リアルタイムにチャットをしながら、映画の分岐や終わり方を投票で決めたりできます。こちらは6月にAndreessen Horowitzをリードとする1,000万ドルの調達に成功しています。

同アプリは元から友人同士で話し合いながら映像コンテンツを楽しむ体験に重きを置いていますが、Adventrの技術を用いればさらにその体験が強化されそうです。また、Twitterが昨年買収したスクリーンシェア型のグループSNS「Squad」などのようなアプリとの親和性も高そうです。

視聴者が直接ストーリーに介入するための、体験志向の動画技術を開発する動きは以前からありました。ロンドン拠点のゲーム/映像スタジオ企業「Flavourworks」は2019年に300万ポンドの資金調達を達成。同社は『Erica』という映像作品を発表しています。プレイヤーの決定が、主人公の物語を形作る、実写のインタラクティブ・スリラーという位置付けで発表されました。

この作品には、Flavourworksが独自に開発したクロスプラットフォーム向けTouch Video技術が導入されています。視聴者はスマートフォンのタッチパッド・画面を使って映像に触れることで主人公たちと直接対話することができます。たとえばキャラクターの涙を拭いたり、バレないようにゆっくりとドアを覗いたりする動きをスマホをなぞることで映像作品中に忠実に再現する、といった具合です。

市場では久々に2Cアプリの勢いが見られると感じられた2021年でした。動画アプリではここまで紹介した音声やタッチ技術の進歩によって、さらに広い楽しみ方が確立される予感がしており、来年以降はこうした技術がAR・VR、はたまたメタバースと言った用語と一緒に急速に注目されるかもしれません。より没入感高い、体験性がメディア・コンテンツに求められそうです。

今週(12月21日〜12月27日)の主要ニュース

買収を発表した「Meta」(Image Credit:Meta)
買収を発表した「Meta」(Image Credit:Meta)

Meta(旧社名:Facebook)がディスプレイ・フィルム企業「ImagineOptix」を買収

Metaは、ガラスやプラスチック・ディスプレイに代わる薄型液晶ベースのフィルムを開発した「ImagineOptix」を買収した。この技術により、Metaは自動的に焦点を調整できる軽量VRヘッドセットの開発へ動くことができるという。— 参考記事

「Embracer Group」がスタジオ事業企業「Perfect World Entertainment」を1.25億ドルで買収

複数のゲーム会社を傘下に持つ「Embracer Group」が、パブリッシャー企業「Perfect World Entertainment」を現金と株式合わせて1億2500万ドルで買収。本買収にはPerfect Worldの子会社であるCryptic Studiosが含まれ、Cryptic Studiosは 『Dungeons & Dragons: Neverwinter』で知られるクリプティック・スタジオも含まれる。— 参考記事

決済サービスを提供する「Bolt」が4億ドルの大型調達中と報道

ワンクリック・チェックアウト・ソリューションを提供する「Bolt」は、140億ドルの評価額で4億ドルの資金を調達していると報じられた。同社は10月に総額3億9,300万ドル、評価額110億ドルのラウンドを終えている。— 参考記事

アプリ企業向けセキュリティサービス「PlainID」が7,500万ドルの調達

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EC企業向けデリバリープラットフォーム「Veho」が1.25億ドル調達

翌日デリバリー・スタートアップ企業「Veho」が、General Catalystをリードに1億ドルの評価額で1億2500万ドルのシリーズAラウンドを調達。同社はEコマースの配達をターゲットにしており、リアルタイムでの位置情報の追跡、顧客の最新情報、顧客の要望への対応など、ラストマイルの顧客体験の向上を狙っている。— 参考記事

欧州の電動スクーターシェア「Voi」が1.15億ドル調達

電動スクーターシェア「Voi」が、Raine GroupとVNV Globalをリードに1億1,500万ドルのシリーズDを調達。同社は現在、イギリスとヨーロッパの70都市でスクーターのレンタルを行っているが、今回の資金調達により、新規市場への参入とIPOの準備が促進されると報じられている。— 参考記事

オンデマンド食料品配送会社「Zepto」が1億ドル調達

インド拠点のオンデマンド食料品配送会社「Zepto」が、Y CombinatorのContinuity Fundのリードにより、1億ドルのシリーズCを5億7000万ドルの評価額で調達。2カ月前の投資家の評価額は2億2500万ドルであった。— 参考記事