ARTICLE

GB Tech Trend #053: 美容業界をShopify化する「Fresha」にみる、業界特化SaaSトレンド

予約システムなどオンラインで代替できる箇所にはSaaSの採用が進んでいるようです。

5,250万ドルの調達を発表した「Fresha」(Image Credit:Fresha)
5,250万ドルの調達を発表した「Fresha」(Image Credit:Fresha)

執筆: Universe編集部

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

美容業界にSaaSのトレンドがきています。コロナ禍の世界的な不安は取り除かれたことから徐々に需要は戻りつつある一方、予約システムなどオンラインで代替できる箇所にはSaaSの採用が進んでいるようです。

今回、美容業界版Shopifyを謳う「Fresha」が新たに5,250万ドルの調達を発表しました。同社は6月に1億ドルの調達を発表したばかりで、急速に投資家の注目を集めています。現在6万人の顧客を抱えているサブスクリプション・モデルのサービスです。

美容室などを営む個人事業主が、Freshaのサイト上に予約及び決済システムを構築して集客できる一連の機能を提供しています。今後はShopifyのような自社サイト独立式のSaaS構築を目指していくそうです。詳細は明かされていませんが、ウェブサイト・ビルダー機能を強化し、各々の事業者がFreshaが提供する美容事業向け機能を組み合わせることで手軽に予約サービスを展開できる「ビジネス・イン・ザ・ボックス」を実現させると予想されています。

Freshaの競合には11月に1,640万ドルの調達を行っている「GlossGenius」が挙げられます。同社のエンジェル投資家には、Shopify共同創業者兼CEOであるTobias Lütke氏、ToastのCEOであるChris Comparato氏、共同創業者であるAman Narang氏らが名を連ねています。

GlossGeniusもB2B向けのサロン予約・決済・分析プラットフォームです。サロン特化のカードリーダーも販売しており、美容室運営に必要な機能を一式用意している印象です。

ここまで紹介してきたサービスはいずれも2B向けの予約システムです。元々、美容市場の中でも2C領域では美容師と顧客のマッチングサービス、2B領域ではバックエンドを支援する予約管理系サービスが多く登場していました。ただ、C向けではネットワークを構築する必要があり、サービス確立するまで時間がかかります。そのため、急成長を目指すスタートアップにとって2B向け予約管理領域は相性がよいのです。

また、今年上場を果たしたレストラン店舗向けの決済プラットフォーム「Toast」の上場ニュースも後押しをしています。レストラン業界特化サービスが上場にまで漕ぎ付けられたことから、世界中の投資家が美容業界に同じような流れが起きるのでは、と見ているようです。

Freshaはサイトビルダーの方向性に、GlossGeniusはToastのような決済システムを提供する方向に成長戦略を取り始めています。市場感としてはどちらにも商機はありそうな印象ですが、調達額で一歩進んでいるのは今のところFreshaと言ったところでしょう。

今週(12月14日〜12月20日)の主要ニュース

1.3億ドルもの調達を発表した「Hungrypanda」(Image Credit:Hungrypanda)
1.3億ドルもの調達を発表した「Hungrypanda」(Image Credit:Hungrypanda)

アジア食品の配達事業「HungryPanda」が1.3億ドルの大型調達

ロンドンを拠点に現在10カ国60都市以上で事業を展開しているアジア食品・食料品宅配プラットフォーム「HungryPanda」が、シリーズDラウンドとして1億3000万ドルを調達した。本調達ではPerwynがリードし、Kinnevik、83North、Felix Capital、Piton Capital、Vintage、Burda Principal Investments、Kreos Capitalらが参加している。— 参考記事

テスト用バーチャルデバイスを提供する「Corellium」が2,500万ドル調達

セキュリティテスト用にAndroidやiPhoneの仮想デバイスを作成するツールを提供する「Corellium」は、Paladin Capital Groupがリードし、Cisco Investmentsが参加するシリーズAラウンドで2,500万ドルの資金を調達した。— 参考記事

ビジネスコール・システム「Dialpad」が1.7億ドルの大型調達

ユニファイド・ビジネス・コミュニケーション・プラットフォーム「Dialpad」が、22億ドルの評価額で1億7000万ドルを調達した。Iconiqが本ラウンドをリードし、GV、T-Mobile Ventures、OMERS、Amasia、Work-Bench、Section 32らがラウンドに参加した。これにより、同社は合計で4億ドルを調達したことになる。— 参考記事

ドローン防衛システムを構築する「Dedrone」が3,050万ドル調達

ドローン・ディフェンス企業「Dedrone」は、公共安全企業のAxonがリードするシリーズCラウンドで3,050万ドルを調達した。他の投資家には、Aqton Partners、Menlo Ventures、Felicis Ventures、Target Partners、TempoCap、そしてシスコの元CEOであるJohn Chambers氏が名を連ねている。— 参考記事

保育園を探すためのマッチングサービス「Famly」が1,800万ドル調達

コペンハーゲンを拠点に保育園向けに親と教師のコラボレーションプラットフォームを運営する「Famly」は、Susquehanna Growth EquityがリードするシリーズAラウンドで1,800万ドルを調達した。— 参考記事

見た目の悪いフルーツを提供する「Full Harvest」が2,300万ドル調達

正規販売品として出回らない傷ついた生鮮野菜を扱うB2Bマーケットプレイス「Full Harvest」が、TELUS VenturesがリードするシリーズBラウンドで2,300万ドルの資金を調達した。本ラウンドには、Rethink Impact、Citi Impact、Doon Capital、Stardust Equity、Portfoliaのほか、Spark Capital、Cultivian Sandbox、Astia Fund、Radicle Growthandなどが参加している。— 参考記事

ノーコード・データ・パイプライン「Hevo Data」が3,000万ドル調達

インドのバンガロールを拠点とするノーコード・データ・パイプライン・プラットフォーム「Hevo Data」は、シリーズBラウンドとして3,000万ドルを調達した。Sequioa Capital Indiaが本ラウンドをリードし、Qualgro、投資家のLachy Groom氏、Chiratae Venturesらが参加した。— 参考記事

トレーダー向けSNS「Stocktwits」が3,000万ドル調達

投資家・トレーダーのためのソーシャルプラットフォーム「Stocktwits」は、Alameda Research Venturesがリードとなり、Times Bridge、初期の投資家であるTrue Ventures、Foundry Group、ffVC、Social Leverageらが参加したシリーズBラウンドで3,000万ドルを調達した。— 参考記事