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GB Tech Trend #052: Amazonが本格的に介護市場へやってきた

処方箋配達に参入を果たしてから、ヘルスケア市場への事業拡大に意欲的な動きを示しています。

Amazonが新たに発表した「Alexa Together」(Image Credit:Amazon)
Amazonが新たに発表した「Alexa Together」(Image Credit:Amazon)

執筆: Universe編集部

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

Amazonが処方箋配達に参入を果たしてから、ヘルスケア市場への事業拡大に意欲的な動きを示しています。その一環として見られるのが高齢者介護事業への参入です。

12月8日、Amazonは高齢者向けサブスクリプション・サービス「Alexa Together」を発表しました。本サービスはすでにローンチ済だった高齢者向けサービス 「Alexa Care Hub」の拡張版としてサービス化されたものだそうです。

各種Alexaデバイスを活用して顧客宅にいる高齢者のケアを家族がスムーズに行えるもので、関連サービスをパッケージ化したのがAlexa Togetherとなります。具体的には緊急時救急ライン・転倒検知などが含まれるようになったとのこと。

中でも注目すべきなのが、「アクティビティ・フィード」です。高齢者ユーザーがAlexaを利用しているかどうかをチェックすることで、問題なく安全に暮らしているのかを把握します。仮にAlexaの利用がない場合はアラートが親族に伝えられます。

Amazonが最も得意とするのが「個客」管理です。一人一人の消費行動を理解し、Amazonアカウントに紐づけて最適な商品を提案することに世界で最も長けている企業です。たとえば私たちがAmazon Marketplaceで書籍を購入する際、関連書籍の提案も表示される「レコメンド機能」ですが、Amazonは私たちの消費スタイル・生活習慣を通じてこの機能の強化を長年行ってきました。

今回のアクティビティ・フィードは、まさに高齢者向けサービスの切り口から、これまで獲得が難しかった高齢者ユーザーの生活情報を収集し、個客管理、そしてレコメンド機能へと繋げる施策であることが伺えます。

Alexa Togetherは高齢者ユーザーとAlexaが日常的に対話することを前提にプログラムが組まれているため、Alexaとのタッチポイントを軸にしたサービス価値をいかに実現するかが鍵です。この点、Amazonはすでに商品だけでなく、外部サービスの提供も始めているため盤石です。

例えばここからはあくまでも推測になりますが、今後は屋内配達を謳ったAmazon Keyとの連携によって、生活必需品が足りなくなった場合にすかさず定期購入リストに入れておいた商品を届けてくれるようなサービスも実現されるかもしれません。

Amazonが力を入れている処方箋配達サービスも、Alexa Togetherのコア・サービスとなり得るでしょう。こうした必要な時に、必要なサービスをAlexaがユーザーの生活習慣をもとにある程度予測して提案する「個客体験」が、Alexa Togetherによって提供されようとしています。

一般的にGAFA勢のこうしたビックデータ解析を主体として個人情報の取得は敬遠されますが、高齢者向けサービスの切り口を採用することで、比較的に参入しやすい雰囲気を作り出していると考えられます。

この領域にスタートアップが参入して市場を獲得することは至難かもしれません。ただ、たとえばAppleのデバイス管理スタートアップが成長を遂げているように、B2B向けにAlexaデバイスを卸し、その管理を一括で手軽に行う、Add-on SaaSとしてのアプローチは考えられるかもしれません。

いずれにしても、米国でのAmazonの動きは無視できないでしょう。日本の高齢者介護市場も、IoTを活用したデジタル化の波が押し寄せてくることは必至です。その中でいかに既存事業者が市場で生き残るのかを示唆してくれるニュースでした。

今週(12月7日〜12月13日)の主要ニュース

後払いサービス大手Affirmから独立して調達を発表した「Resolve」(Image Credit:Resolve)
後払いサービス大手Affirmから独立して調達を発表した「Resolve」(Image Credit:Resolve)

企業向け後払いサービス「Resolve」が2,500万ドル調達

B2B取引に特化した後払いサービスを提供する、Affirmから独立した「Resolve」は、Insight Partnersをリードに2,500万ドルのエクイティ資金を調達した。本ラウンドには、Initialized Capital、KSD Capital、Haystack、Commerce Ventures、Clocktower Venturesなどの先行投資家も参加している。— 参考記事

欧州の生鮮食料品配達「Flink」が7.5億ドルの大型調達

ドイツ・ベルリンで生鮮食料品の即日デリバリーサービスを運営する「Flink」は、戦略的投資家であるDoorDashがリードするシリーズBラウンドで7億5,000万ドルを調達した。Mubadala Capitalおよびその他の初期投資家らも参加した。— 参考記事

欧州のECアグリゲータ「SellerX」が5億ドルの大型調達

ドイツ・ベルリンを拠点とするEコマース・アグリゲーター「SellerX」は、株式および融資による5億ドルの資金調達を行った。Sofinaが本ラウンドをリードし、BlackRock、Victory Park Capital 、ADIAらが参加した。今回の資金調達には、アブダビ投資庁や以前からの出資者も参加しており、SellerXのこれまでの資金調達額は7億5,000万ドルに達している。SellerXは、今回の資金調達と同時にベルリンに拠点を置き、Amazonでプライベートブランドを販売しているKW-Commercを買収したと発表した。— 参考記事

コンテナ輸送プラットフォーム「Dray Alliance」が4,000万ドル調達

港から倉庫まで輸送コンテナをより効率的に届けるためのコンテナトラック輸送プラットフォームを構築する「Dray Alliance」は、HeadlinがリードするシリーズBラウンドで4,000万ドルを調達した。— 参考記事

AI機械学習の開発プラットフォームを開拓する「Edge Impulse」、3,400万ドルの調達

機械学習開発プラットフォーム「Edge Impulse」は、CoatueがリードするシリーズBラウンドで3400万ドルを調達した。本ラウンドには、Canaan、Acrew Capital、Fika Ventures、Momenta Ventures、Knollwood Investment Advisoryなどの初期の出資者も参加している。— 参考記事

ワークフロー自動化に取り組む「Ikigai」、1,300万ドル調達

人力でのアシスタントも一部活用した自動化ワークフローシステムを開発する「Ikigai」は、Foundation Capital、8VC、Underscore VCおよび個人投資家から1,300万ドルのシード資金を調達した。— 参考記事)

金融機関向けAIサービス「Posh Technologies」が2,750万ドル調達

金融サービス向けの会話型AIプラットフォーム「Posh Technologies」は、シリーズAラウンドで2,750万ドルを調達した。Canapi Venturesが本ラウンドをリードし、Curql Collective、Human Capital、CMFG Ventures、JAM FINTOP、Piedmont Capitalが参加した。— 参考記事