GB Tech Trend #029: インフルエンサーのブランド商品開発を支援する「Pietra」
あらゆる仕組みをソフトウェア化して、気軽に利用できるようにする「Stripe化」や「AWS化」がEC業界やクリエイター・エコノミーを中心に発生しています。

執筆: Universe編集部
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今週の注目テックトレンド
あらゆる仕組みをソフトウェア化して、気軽に利用できるようにする「Stripe化」
インフルエンサー自身がブランドを立ち上げ、自分ブランドの商品をファンに売るニーズが主に美容やファッション領域で高まっているのです。しかし、ブランド商品開発を自ら手配するには多大のコストと手順が発生します。そこでSaaSのアプローチからここに取り組むのが今回紹介する「Pietra」
Pietraはブランド商品を売りたいと考えたクリエイターが最適なサプライヤーを選択し、サンプルを取り寄せられる仲介プラットフォームです。また、商品の梱包から写真撮影まで、ブランド出品に関するフルフィルメントを全てをカバーしています。
世界中にいるサプライヤーとのネットワークを駆使して、商品開発からフルフィルメントまでをほぼワンストップで提供しているのが強みです。プラットフォーム自体はSaaSのように機能しています。
そんな同社が最初に参入したのがジュエリー領域でした。
Business Of Fashionによると、近年、高級アパレルのオンライン化が進んでいる一方で、宝飾品のオンライン化は遅れているそうです。アパレル市場の売上高の約14%をオンライン取引が占めていますが、宝飾品市場の売上高のうちデジタルで行われているのは約4~5%に過ぎず、EC化に10%ほどの隔たりがあります。
一方、ジュエリー商品を販売するニーズは高まりつつありました。女性インフルエンサーが世界的に増え、Instagramを筆頭に化粧品や洋服、ファッション小物を自ら手がけて販売するニーズが増加しているからです。
こうしたインフルエンサーが自らジュエリー商品ブランドを立ち上げられるサービスとして立ち上がったのがPietraです。顧客は自分のデザインアイデアをPietraが通して世界中の製造ネットワークに提出すれば、サンプル商品が送られてきます。問題がなければクリエイターは自分のジュエリーEC店舗を出店できるようになっています。
現在はより広く顧客獲得を目指すため、ジュエリーに絞ることなく、広く化粧品やファッション用品も扱っています。
今後、自分のブランドを強く押し出したいEC事業者を、商品開発から支援するPietraのようなプラットフォームは支持されるのではないでしょうか。すでに広く目にするECサイトを手軽に立ち上げられるようなサービス以上の価値を、クリエイター向けフルフィルメントサービスは持っていると感じます。
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