GB Tech Trend #028: 企業電話もコラボレーションの時代。フランスから新たなユニコーン「Aircall」誕生
SlackやNotionなど、様々な生産性ツールが登場している今、あらゆるワークツールが結び付き合うことを前提にサービス設計されることが重要になっています。

執筆: Universe編集部
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今週の注目テックトレンド
SlackやNotionなど、様々な生産性ツールが登場している今、あらゆるワークツールが結び付き合うことを前提にサービス設計されることが重要になっています。
他方、企業が利用する電話は顧客と話す大切なチャネルでしたが、外部サービスとの連携が足りていませんでした。たとえば電話をした内容などを同僚にオンラインツールを使って共有することは難しいです。
現在、パンデミックの影響で分散型ワークフォースや在宅勤務をする傾向が加速。ただ、顧客から電話を受け、問い合わせ内容に関しての細かいメモをその場でメンバーに共有する動線ができていません。電話を受けたらそのまま各種ワークツールに情報を即座に共有する体制が確立されていないため、オフィスワークと比較してやりずらさが残っています。
そこで価値を発揮しつつあるのが「Aircall」
2014年にパリで設立されたAircallは、ローカルコールセンターサービスを提供します。利用企業の顧客がどこからかけてきても良いように、ローカライズされた電話番号・フリーダイヤル・コールルーティング・発信者を適切な部署に誘導する自動化された対話型音声応答(IVR)
Aircallのプラットフォームは、不在着信率や平均待ち時間などの指標を表示する分析機能も備えています。通話の割り当て機能も搭載。セールスやサポートの電話を複数の人が処理している場合には、一度に複数の人に鳴らすこともできたり、すべての通話の概要が表示されるので、通話を割り当てたり、タグ付けしたりすることができます。
なによりAircallの強みは外部サービスとの連携。Salesforce、Zendesk、Zohoなどの他のソリューションと統合することができます。従来の電話を他社サービスとつなぎ合わせることでアップデートしています。電話の受付やルーティング、潜在的な見込み客のフォローアップ、同僚とのコラボレーションを可能にし、「オープンな電話」
現在までに8500社の企業に利用されており、Natwest、Spareroom、Glovoなどの主要なクライアントを獲得しています。過去記事によると、Aircallは収益を4倍に、従業員数を2倍に増加。同社はもともとフランスでスタートしましたが、現在では収益のほとんどが米国からのものとなっているとのことです。
Aircallと類似事例を見てみると、メールサービスの「Front」
生産性ツールの市場は大きいため、競合サービスとがいたとしても、「オープンプラットフォーム」
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