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GB Tech Trend #027: メール・カレンダー・電話帳版Stripe — APIを束ねる「Nylas」の可能性

決済APIサービス「Stripe」の登場後、APIを使った開発トレンドが起きました。

1.2億ドルの大型調達を果たした「Nylas」。Image Credit: Nylas。
1.2億ドルの大型調達を果たした「Nylas」。Image Credit: Nylas。

執筆: Universe編集部

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

決済APIサービス「Stripe」の登場後、APIを使った開発トレンドが起きました。

今回紹介する「Nylas」もそのトレンドに乗ったサービスの1つです。メール・カレンダー・電話帳APIおよび各種サービスと連携可能な開発プラットフォームで、今回、1億2,000万ドルの調達を実施しました。毎日12億ものAPIリクエストを処理しているとのことです。

従来、開発者が複数のAPIを連携させ、自社サービスに接続させるのに多大な開発コストを費やしていたました。Nylasが解決するのはまさにここです。数行のコードを入力するだけでメール・カレンダー・電話帳など、仕事に必須の複数ツールサービスを分析・各種サービスと連携させます。

たとえば開発者がユーザーのメールアカウントと接続する際、それがMicrosoft ExchangeなのかGmailなのかを気にすることなく、各メールプラットフォームから該当メール情報を抽出することが可能です。Microsoftであろうが、Googleであろうが、アカウントをシームレスに連携させることができるのです。

また、Nylasが提供するSalesforceプラグインを活用すれば、担当者のメールデータを集約してSaleforce上でリード管理することもできます。同様に開発者はGitHub、Slack、Evernote、Trello、Todoist向けの統合プラグインを構築できます。このように、メールやカレンダー・電話帳サービスと関係サービスをワンクリックで全て統合できるようになりました。

さて、今後Nylasの動きとして、オフィス空間との連携が考えられます。たとえば2019年5月に2,000万ドルの調達を果たした「Robin Powered」の存在が挙げられるでしょう。

同社は従業員のGmailやOutlookに接続して会議室や(大企業にある)オープンスペースの利用状況を分析し、ミーティングのダブりなどが起きないように自動的にスケジュール提案などをしてくれます。

こうしたオフィス空間の最適化に今後、使われるのがNylasのようなツールだと考えます。従業員・外部営業先間のメール内容を分析することでオフィス環境を最大限活用するニーズは、Robin Poweredを見ていると顕在化していると言えるでしょう。

プラットフォームをうまく活用したオフィス生産サービスも誕生するかもしれません。

今週(6月15日〜6月21日)の主要ニュース

2.5億ドルの追加調達を目指す「BharatPe」。Image Credit: BharatPe。
2.5億ドルの追加調達を目指す「BharatPe」。Image Credit: BharatPe。

インドのQRコード決済サービス「BharatPe」、2.5億ドルの大型調達目指す

インド拠点、QRステッカーを通じて100以上のモバイルアプリからの支払いを受け付ける「BharatPe」は、シリーズDラウンドを終了してからわずか4カ月後、Tiger Global ManagementがリードするシリーズEで2億5000万ドルの資金調達を目指していると報じられた。— 参考記事

貨物運賃プラットフォーム「Xeneta」が2,850万ドルの調達へ

ノルウェーのオスロを拠点とする海上・航空貨物の運賃ベンチマークプラットフォームおよびコンテナ輸送指標を提供する「Xeneta」は、シリーズCラウンドとして2850万ドルを調達。ポストマネーの評価額は1億3000万ドル強になる。本ラウンドは、Lugard Road Capitalがリードし、CreandumとInvestinorが参加した。これで同社は、Semedvig Capital、Point Nine Capital、Alliance Ventureなどから、合わせて4,900万ドルを調達したことになる。— 参考記事

コンテンツプラットフォーム「OnlyFans」が10億ドル価値で大型調達目指す

ロンドンを拠点とする、インフルエンサーやセレブリティ、成人映画スターがコンテンツを販売するプラットフォーム「OnlyFans」が、10億ドルの評価額での調達に向けて交渉中であると、Bloombergが伝えている。— 参考記事

Banking as a Serviceで成長する「Unit」が5,100万ドル調達

利用企業が自社製品に金融機能(口座、カード、決済、融資など)を組み込める「Unit」は、シリーズBラウンドとして5,100万ドルを調達した。Accelがこのラウンドをリードし、Better Tomorrow Ventures、Aleph、Flourish Ventures、TLV Partnersが参加した。これにより、同社は合計で7,000万ドルを調達したことになる。— 参考記事

誰もがオーナーになれる「Arrived Home」、3,700万ドル調達

賃貸住宅に投資して収益を挙げられるサービスを提供する「Arrived Homes」は、Core Innovation Capitalをリードに3,700万ドルのエクイティおよびデット資金を調達した。このラウンドには他に、Bezos Expeditions、Good Friends、Time Ventures、PSL Venturesのほか、元ZillowのCEOであるSpencer Rascoff氏を含む多数の著名な個人投資家が参加。Bloombergによると、この会社はすでに15軒の住宅を取得し、さらに18軒の住宅を契約中とのこと。— 参考記事

AI機械学習用モニタリングツール「Fiddler AI」、3,200万ドル調達

エンジニアが機械学習システムをモニタリングするためのツールを提供する「Fiddler AI」は3,200万ドルの資金調達を行った。今回の資金調達ではInsight Partnersがリードし、Lightspeed Venture Partners、Lux Capital、Haystack Ventures、Bloomberg Beta、Lockheed Martin、Amazon’s Alexa Fundが参加した。— 参考記事

ヨーロッパのコリビングサービス勢「Habyt」が「Hopefully」を買収

ドイツ・ベルリンを拠点とするコリビングサービス「Habyt」は、フランクフルトを拠点とする、グローバルに活躍するプロフェッショナルをマッチングする同じくコリビングサービス「Hopefully」を買収した。これに関連してHabytは、HV Capital、Vorwerk Ventures、P101、Picus CapitalからシリーズB資金として2,000万ユーロを調達した。— 参考記事