GB Tech Trend #025: 本格化する自動運転、注目は関連市場のビジネスモデル変革
業界のコスト構造やUXの底上げが果たされるであろう事例は今後も増えてくるはずです。

執筆: Universe編集部
グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。
今週の注目テックトレンド
自動運転に関するニュースが立て続けに報道されました。
Alphabet(Googleの親会社)
また、GMの自動運転部門であるCruiseは、カリフォルニア州公益事業委員会(California Public Utilities Commission)
自動運転市場はいよいよ本格サービス化へと舵を切りつつあります。ただ、市場にサービスとして受け入れられるかどうかは別問題であり、こうしたハードルをクリアするためにはさらに数年を要すると感じています。
人の移動以外で自動運転の利便性を感じられるのがフードデリバリー領域で、なかでもフードデリバリー スタートアップ「DoorDash」
- 配達ルートの最適化:オンデマンドサービスでは、リピート客がいたとしても毎回ドライバーが変わればどこが玄関で、どこが最適な駐車スペースかわからず時間浪費してしまう。この点を毎回の配達のフィードバックから学習して最適化する。毎回ユーザーが望むピンポイントの場所に配達する。
- フードクオリティー:食事の質を再検査する。たとえばレストランのホールスタッフが風邪を引いていたりしたら、食事に菌が付いているかもしれない。この様な情報が事前にインプットされていた場合、AIが自動で配達をキャンセルする。
- パーソナライズ化:過去の顧客情報からベジタリアンなのかどうかなど、個々の趣向を解析して最適なメニューをアプリ上で提案する。
上記3つが完全にUXに組み込まれればより強いサービスになるだけでなく、WaymoやCruiseらがフード配達企業と組む道も考えられるでしょう。というのも、提携フードデリバリー企業の配達業務最適化を行えば、これ以上各配達企業が自社で配達員を雇うようなこともなくなるかもしれないからです。
Alphabetに関して言えば、傘下企業を連携させてDoorDash同様のサービスを立ち上げ、Waymoによる効率性と従業員レスな環境を駆使して低価格なフードデリバリーを投入してくる未来も考えられます。UberEatsに関しても同様です。
Autonomous Last Mile Deliveryの世界市場は111.3億ドル(2021年予測)
急成長市場となっており、期待が寄せられていますが、最も注目すべきは「いつ自動運転による配車サービスが立ち上がるのか」
フードデリバリー市場のように、業界のコスト構造やUXの底上げが果たされるであろう事例は今後も増えてくるはずです。
今週(6月1日〜6月7日)の主要ニュース
トルコの生鮮食料品配達企業「Getir」が5.5億ドルの大型調達実施
イスタンブールを拠点とする食料品デリバリーアプリ「Getir」
グローバル展開するスタートアップ向け経費管理「Jeeves」が約1.3億ドル調達
ニューヨークを拠点とする、世界中のスタートアップを対象としたグローバル経費管理プラットフォーム「Jeeves」
衛星監視スタートアップ「LeoLabs」が6,500万ドル調達
カリフォルニア州メンロパークを拠点とし、衛星モニタリングと衝突検知に特化したスタートアップ「LeoLabs」
新たなSNS「BeReal」にa16zが出資
パリを拠点とするSNS「BeReal」
ロシアのカーシェア企業「Delimobil」が7,500万ドルを上場に向け調達
ロシアのモスクワを拠点の、モスクワ・サンクトペテルブルク・カザンなどロシアの主要都市で分単位で自動車を借りられるカーシェアリングを展開する「Delimobil」
オフィス内向けコンビニ「New Stand」4,000万ドル調達
ニューヨークに拠点を持つ、独立した店舗やオフィス内でテクノロジー志向のコンビニエンスストアを展開する「New Stand」
ロボット向けプロセッサを開発する「Realtime Robotics」が3,000万ドル超を調達
安全なロボット・モーションプランを生成するための特殊なプロセッサを開発している「Realtime Robotics」
ビデオ会話サービス「HiHo」160万ドル調達
カリフォルニア州マンハッタンビーチを拠点とするビデオ会話アプリ「HiHo」