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GB Tech Trend #016: 検索もサブスク、チャンスは「プライバシー」にあり

Google検索とは違う方向性が採用されていく可能性を示唆しています。

新たに4,000万ドルの調達を果たした「Neeva」。Image Credit: Neeva。
新たに4,000万ドルの調達を果たした「Neeva」。Image Credit: Neeva。

Universe編集部

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

過去20年間、様々な検索エンジンがGoogleに対抗しようとしてきましたが、Microsoft「Bing」を含め、ほとんどが市場シェアを取れずにいました。他方、「DuckDuckGo」に代表されるプライバシーを重視した検索プレイヤーなども出てきており、Google検索とは違う方向性が採用されていく可能性を示唆しています。

先日4,000万ドルの調達を果たした「Neeva」もその一つ。同社は各種検索窓口と連携する、Add-on型の検索サービスとして活躍が期待されています。創業者は元Googleで検索広告事業部にいたSridhar Ramaswamy氏です。

同氏はGoogleの検索結果は広告企業のものが優先的に表示され、ユーザーが本当に求めるコンテンツがなかなか探し出せないことに疑念を感じ、Neeva開発に至っています。

Neevaは既存コンテンツおよびデータソースと連携して動く仕組みです。Bingのような検索サービス、Apple Mapsに代表される地図アプリ、メールアプリ、ローカルドキュメントなどの個人ファイルの検索窓口とも連携し、ウェブ検索結果やアクション候補を表示します。

Google検索との大きな差別化点は3つ。プライバシーを重視している、広告を持っていない、サブスクリプションベースである点です。

先述したように、Googleは広告収益を軸にしているため、検索アルゴリズムの上位にアド結果が表示され、ユーザーにとって最適な体験となっていませんでした。そこでNeevaは月額10ドル前後の有料サブスクから収益化を図ろうとしています。また、ユーザーデータが追跡されることはなく、パーソナライズ検索結果が返ってくる仕組みを採用しているとのことです。

「Authentic Search(本物の検索)」+「Integration(連携)」+「Privacy(プライバシー)」の3つを提供価値として成長させていくプロダクト戦略であることが伺えます。

個人情報を犠牲にして無料サービスを提供しているGoogleやFacebookに対し、消費者が不平・不満を口にしていても声は届かず、これら大手企業が依然として支配的なポジションにあることに変わりはありません。他の検索エンジンが、プライバシー性の高さを武器に参入していますが、未だGoogleを脅かしてはいません。こうした背景を基に、自らの経験を活かして新規参入するのがNeevaです。

市場を広く見渡すと、検索サービスで急成長している企業は多い印象です。たとえば「Algolia」は、サイト内検索サービスを手軽に立ち上げられる開発者向けサービスを展開しています。Google検索の及ばない各サイトにおける情報整理をミッションに成長を続けています。

このように、一言に「検索」と言ってもまだまだ参入領域が残っています。誰しもがデジタルデバイス上でおこなう「検索体験」に注目したNeevaがどこまで成長しきるのか、はたまた競合他社と同じく結局中途半端な結果に終わるのか、市場が注目しています。

今週(3月22日〜3月28日)の主要ニュース

米国版セブンイレブン「GoPuff」。Image Credit: GoPuff。
米国版セブンイレブン「GoPuff」。Image Credit: GoPuff。

オンラインコンビニ「GoPuff」11.5億ドル調達

約1万人のドライバーが都市部にある数百の小規模フルフィルメントセンターから商品をピックアップする、オンデマンドの日用品配送プラットフォーム「GoPuff」は、D1 Capital Partnersをリードに11億5,000万ドルの資金調達を実施。このラウンドには、Fidelity、Baillie Gifford、Reinvent Capital、Luxor Capital、SoftBank Vision Fundなどの投資家が参加しており、同社の価値は89億ドルとなった。— 参考記事

植物由来の卵「Eat Just」2億ドル調達

植物性の卵とマヨネーズを開発する「Eat Just」は、カタール国の政府系ファンドであるQatar Investment Authorityを中心に、Charlesbank Capital PartnersとVulcan Capitalの参加を得て、新たに2億ドルの資金を調達した。同社はこれで累計6億5千万ドルを調達したことになる。— 参考記事

培養肉スタートアップ「Meatable」4,700万ドル調達

単一の細胞から迅速に食用肉を培養させることができる培養肉スタートアップの「Meatable」は、シリーズA調達として、Section 32、DSM Venturing、以前からの出資者であるBlueYard Capital、Agronomics、Humboldt、および多数の個人投資家から4700万ドルを調達した。同社はこれまでに6,000万ドルを調達している。— 参考記事

インド拠点SNS「Public App」4,100万ドル調達

インドを拠点とする位置情報ソーシャルネットワークで、すでに5,000万人以上のユーザーを抱えている「Public App」は3,500万ドルを確保してからわずか6カ月後の現在、新たなラウンドで4,100万ドルを調達した。A91 Partnersは、2億5,000万ドルのポストマネー評価額で今回のラウンドをリードした。他にもLee Fixel’s Addition、SIG、Tanglin Venture Partnersらが参加した。— 参考記事

試着返品プラットフォーム「TryNow」1,200万ドル調達

ShopifyのEC事業者向けに、顧客が購入前に商品を受け取って試し、不要なものは返品できるようにするプラットフォームサービスを提供する「TryNow」は、Shine Capital、Craft Ventures、SciFi VC、Third Kind、Plaidの共同設立者であるZachary Perret氏とWilliam Hockey氏からシリーズAラウンドとして1,200万ドルを調達した。— 参考記事

ARスタートアップ「Blippar」再起で500万ドル調達

ロンドンを拠点とするARスタートアップ「Blippar」は、初期投資家がさまざまな理由で支援辞退をしたため、会社はほぼ壊滅状態となっていたが、18カ月にわたる事業再編とB2B企業としての再編成を経て、500万ドルの資金調達を完了した。今回の資金調達は、Chroma VenturesとWest Coast Capital社が共同でリードした。— 参考記事

Epic Games10億ドル調達の報道

「Fortnite(フォートナイト)」を開発した創業30年のゲームメーカーEpic Gamesは、評価額280億ドルとなる10億ドルのラウンド資金調達の条件を確定しているとのこと。同社はわずか7カ月前、SONYやBaillie Giffordなどの投資家から173億ドルの評価額での資金調達を完了している。— 参考記事

YC出身ソーシャルショッピング「Chums」350万ドル調達

創業20カ月のソーシャル・ショッピング・サービス「Chums」は、Y Combinatorのバッチを通過し、Ludlow Ventures、Shrug Capital、Contrary Capital、Fuel Capitalなどの企業や個人から、プレシード投資で350万ドルを調達した。— 参考記事