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GB Tech Trend #013: コロナ禍で風が吹いた「高級アパレル2次流通」の現場

新しいユニコーン誕生のニュースが飛び込んできました。

ユニコーンへと成長したVestiaire Collective。Image Credit: Vestiaire Collective。
ユニコーンへと成長したVestiaire Collective。Image Credit: Vestiaire Collective。

執筆: Universe編集部

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

新しいユニコーン誕生のニュースが飛び込んできました。中古ブランドアパレル商品を扱うマーケットプレイス「Vestiaire Collective」が評価額10億ドルを超え、2億1,600万ドルの調達に成功しています。同社は高級アパレル用品を売買できるプラットフォームを運営。掲載商品のブランド認証確認から決済・配送までを一貫して提供しています。

パンデミックの影響で、店舗に洋服を買いに行く需要が減りました。一方、オンラインショッピングの機会が急増しており、このあおりを受けて今回の大型調達に漕ぎ着けた形です。取引量は2019年に比べて2020年には2倍になっており、毎週14万件の新規商品が掲載されていたといいます。

こちらの記事によると、2020年春夏コレクションの余剰在庫は世界で1,400億~1,600億ユーロ(ヨーロッパだけで450億~600億ユーロ)と推定されており、これはこの業界の標準レベルの2倍以上に相当するそうです。昨年から今年にかけて、高級アパレル企業はかなり厳しい在庫過剰の逆風を受けていると推測されており、Vestiaire Collectiveのようなマーケットプレイスに商品が流れ着いていると考えられます。

さて、Vestiaire CollectiveはP2Pマーケットプレイスとして機能していますが、ここでブランドが直接販売することはありません。顧客が安売りの在庫商品を手に入れてしまうと来店数の増加に繋がるかもしれませんが、実態としてはお金を落とさない層を獲得してしまうからです。そのため、オフプライス商品を売るとしても、正規の販売店とは別ルートで、しっかりとブランド性が担保された販売チャネルを模索しているのが一般的な構造です。

一方、こういった別販売チャネルを確保しようとすると、在庫商品の再収集から整理、運用までコストがかかります。そこでVestiaire Collectiveとは別軸で成長を続けているのが「Otrium」です。

Otrium は、ファッションブランドがシーズンの終わった在庫商品を販売できるECマーケットプレイスを展開しています。マーケットプレイスに参加するブランドは、より正確な価格設定を可能にするダイナミックプライシングなどのツールを利用することができ、過去のシーズンの在庫をより早く販売するSaaS機能が揃っています。

同社の価格決定は、スタイル、入手可能なユニット数やサイズ、Otrium の幅広いコミュニティからの関心などの変数に基づいて設定されるとのこと。アウトレット商品を管理し、詳細なアナリティクスを取得、ダイナミックな価格設定エンジンを駆使して収益を最大化できるのがブランド側にとって最大のメリットになります。パンデミックが始まって以来、Otriumに対するブランドからの関心が倍増しており、同社のプレスリリースによると、この1カ月間に収益が40%急増したとのことです

エンドユーザーのニーズに応えるのか、ブランド側の課題解決に取り組むのか、どちらの分野にも追い風が吹いています。中古アパレル商品に関するオンラインショッピング市場の加速感を1つ取っても、違った見方ができるため、今回紹介したVestiaire CollectiveとOtriumの両社を理解しておくと、日本市場でもビジネス展開が望めるかもしれません。

今週(3月1日〜3月7日)の主要ニュース

Epic Gamesに買収される「Tonic Games」。Image Credit: Tonic Games。
Epic Gamesに買収される「Tonic Games」。Image Credit: Tonic Games。

Epic Games、「Fall Guys」を保有する「Tonic Games」買収

Epic Gamesがビデオゲーム制作会社「Tonic Games」を買収、条件は非公開。Tonicは人気ゲームタイトル「Fall Guys」を製作しているMediatonicを所有している。Epicは同タイトルにクロスプラットフォームのプレイを追加する計画と発言。— 参考記事

空飛ぶタクシー「Volocopter」が2億ユーロの大型調達

ドイツのVTOL(垂直離着陸機)の開発企業「Volocopter」がAtlantia、Continental、NTTなどから2億ユーロ(~2億4,200万ドル)のシリーズDを調達。同社は空飛ぶタクシーサービスを開発しており、2023年にシンガポールでのサービス開始を計画、これまでに3億9,000万ドル近くを調達している。— 参考記事

生鮮食品デリバリーサービス「Instacart」2億6,500万ドル調達

サンフランシスコに拠点を置く生鮮食品宅配会社「Instacart」は、資金調達後の評価額390億ドルで2億6500万ドルの新規資金調達を行い、1年ぶり2度目の2倍以上の評価額となった。このラウンドは、以前の投資家であるAndreessen Horowitz、Sequoia Capital、D1 Capital Partnersがリードしたもので、InstacartはSpaceXに次ぐ米国第2位のユニコーンになったという。— 参考記事

ライブストリーミングサービス「Maestro」1,500万ドル調達

クリエイターやコンテンツ所有者向けのインタラクティブ・ライブ・ストリーミング・プラットフォーム「Maestro」は、NetEase、Sony Music Entertainment、Acronym Venture Capitalを含むシリーズBの資金調達で1500万ドルを調達。Twitchの共同創業者であるKevin Lin氏を含む多数の個人投資家が参加。このラウンドには、SeventySix Capitalを含む、以前からの出資者も参加。同社は現在、合計で2200万ドルを調達している。— 参考記事

小売向けコミュニケーションサービス「Zipline」3,000万ドル調達

小売業者が本社から支部店舗へのコミュニケーションとタスク管理を支援する「Zipline」は、Emergence Capital、Ridge Ventures、Hillsven Capital、Veevaの共同創業者Matt Wallach氏、Fisher Family Fundが参加し、Fifth WallがリードするシリーズBの資金調達で3,000万ドルを調達した。同社は現在、合計で3900万ドルを調達している。— 参考記事

Zoomの競合「Around」1,000万ドル調達

ビデオコラボレーション・スタートアップ「Around」は、Wing VCがリードするシリーズAの資金調達で1000万ドルを調達。Forerunner Ventures、Slack Fund、Initialized Capital、Credo、Floodgateが参加している。— 参考記事

A16zが出資するドローンメーカー「Skydio」1億7,000万ドル調達

自律型ドローンメーカー「Skydio」は、以前の出資者Andreessen Horowitzがリードした10億ドル以上の企業評価額で1億7000万ドルのシリーズD資金調達を行った。Line Capital、Next47、IVP、UP Partnersが参加している。昨年7月にはシリーズCで1億ドルの資金調達を発表している。— 参考記事

セレブからの動画を贈れる「Memmo.me」が1,000万ドル調達

スウェーデンのストックホルムに拠点を置く、ユーザーにパーソナライズ・メッセージを載せた有名人の動画を扱うマーケットプレイス「Memmo.me」が、Left Lane Capitalが率いるシリーズAの資金調達で1000万ドルを調達した。米国でCameoが拡大しているニーズを欧州で獲得する。— 参考記事