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GB Tech Trend #011: SaaS企業によるメディア買収トレンド

マーケティング・セールス企業「HubSpot」が、メルマガ配信メディア「The Hustle」を買収して話題になっています。

今回HubSpotに買収されたThe Hustle。Image Credit: The Hustle。
今回HubSpotに買収されたThe Hustle。Image Credit: The Hustle。

執筆: Universe編集部

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

マーケティング・セールス企業「HubSpot」が、メルマガ配信メディア「The Hustle」を買収して話題になっています。The Hustleは150万人以上の購読者を持つビジネス系メルマガメディアです。Axiosによると今回の買収取引額は2,700万ドルほどとのこと。

The Hustleの収益源は広告と有料サブスクリプション会員の2つ。以前はイベントも積極的に行っていましたが、コロナの影響で規模を縮小しているようですね。ただ黒字化は達成済みとの情報もあり、累計調達額が100万ドルであることから、比較的小規模にメディアを育ててきたことが窺い知れます。

さて、ここまで見るとマーケティング企業がメディア企業を買収するシナジー効果がどの程度あるのか気になるところです。元々、HubSpotはインバウンドマーケティングに強く、自社ブログメディアを通じて顧客獲得を根強く続けてきた背景があります。

これに加えて独自のメルマガメディアであればロイヤリティの高いファン顧客を掴むことができるので、長い関係を保つことができます。今回の買収で言えば150万人に対して長くHubSpotのサービスを提案し続けることができるので、更なる顧客獲得コストの軽減が期待される、というわけです。

The Hustle側にも大きなメリットがあります。同じくメルマガメディアを運営する「Morningbrew」代表のRief氏によると、一般的なメディアの収益率は1〜5倍の間だそうです。一方のSaaS企業の平均は23.5倍ほどで、収益率を爆発的に伸ばすことができます。

ここ最近ではRobinhoodが「Market Snacks」を、Stripeは「Indie Hackers」を買収していますので、今後は、大きなメディアが小さなメディアを買収していくのではなく、SaaS企業の顧客獲得戦略の一環としての買収が続くかもしれません。

今週(2月15日〜2月21日)の主要ニュース

上場が噂される中国版TikTok「Douyin」。Image Credit: Douyin。
上場が噂される中国版TikTok「Douyin」。Image Credit: Douyin。

中国版TikTok「Douyin」上場へ動く

ByteDanceは同社の短尺動画サービス「Douyin」の米国上場に向けて協議を進めているという。ByteDanceの投資家は、Joe Biden氏が大統領に就任して以来、本上場案に興味を示しており、香港の証券取引所にも上場する可能性があるとのこと。— 参考記事

Facebookがスマートウォッチ販売か

Facebookがスマートフォンを来年から販売する計画があると報道された。Apple Watchと競合するかもしれない。The Informationによると、Facebookが近年、Oculusのヘッドセットや家庭向けのビデオ通話デバイス「Portal」を含む消費者向けハードウェアの販売に進出していることに注目。次のコンピュータ・プラットフォーム市場を寡占しようとしているとのこと。— 参考記事

小口株式取引「Public.com」シリーズD調達

ニューヨークを拠点とするSNS機能を持った株式取引サービス「Public.com」は、6,500万ドルのシリーズCを調達してからわずか2カ月後にも関わらず、シリーズDのクローズに近づいていると報道された。Business Insiderによると、リードしているのはTiger Global Managementで、資金調達後の評価額が12億ドル(12月の評価額の4倍)で想定されているという。同社は取引量よりもコミュニティに重点を置いて、ユーザーがどのような金額でも、どんな企業にでも投資できるようにすることを目指している。— 参考記事

セレブの動画コンテンツマーケットプレイス「Cameo」1億ドル調達へ

Bloombergによると、有名人にオリジナルの動画メッセージやコンテンツを送ってもらえるプラットフォーム「Cameo」が、10億ドルの評価額で約1億ドルの資金調達について前向きに検討していると報道された。— 参考記事

ノイズ除去サービス「Krisp」900万ドル調達

カリフォルニア州サンノゼに拠点を置く、機械学習を利用してオーディオのバックグラウンドノイズをリアルタイムで除去するサービス「Krisp」は、2020年夏に500万ドルのラウンドを経て、今回900万ドルのシリーズAラウンドを調達した。同社の投資家には、Storm Ventures、Sierra Ventures、TechNexus、Hive Venturesが含まれている。— 参考記事

ハードウェア版AWS「Fictiv」3,500万ドル調達

「ハードウェアのAWS」をコンセプトにする「Fictiv」は、シリーズDで3,500万ドルの資金調達を行った。40 North Venturesがこのラウンドをリードし、Honeywell、三井住友銀行、Adit Ventures、M20のほか、過去の出資者であるAccel、G2VP、Bill Gatesが参加した。同社は累計9,200万ドルを調達している。— 参考記事

指紋認証SaaSを展開する「FingerprintJS」800万ドル調達

ブラウザにおける指紋認証向けSaaSを提供する「FingerprintJS」は、シリーズAで800万ドルの資金調達を行った。シークレットウィンドウからセッションに入った人、VPNを使用している人、クッキーをブロックしている人を含む、ユニークなサイト訪問者を識別することを目的とする。Nexus Venture Partners がこのラウンドをリードし、累計調達額は 1,200 万ドルとなった。— 参考記事

3Dプリント人工肉「Redefine Meat」2,900万ドル調達

3Dプリンターで植物由来の食肉代替品を製造する「Redefine Meat」は、Happiness CapitalとHanaco Venturesが共同で行うシリーズAの資金調達で2,900万ドルを調達した。このラウンドに参加した他の投資家には、CPT Capital、Losa Group、Sake Bosch、K3 Venturesが含まれている。— 参考記事