GB Tech Trend #004: TikTokのByteDance、動画から創薬市場参入へ

将来的には自動運転やロボットのような、次世代ハードウェアの分野にまで進出するかもしれません。

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中国版TikTok「Douyin(抖音)」を運営するByteDance. Image Credit: Solen Feyissa.

執筆: Universe編集部

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。注目な話題としてTikTokの親会社「ByteDance」が新市場、創薬分野へ参入する予定が報じられています。

今週の注目テックトレンド

TikTokの運営元企業「ByteDance」が、AIを活用した創薬サービスを開始する予定だと報じられた。同社は米国と中国で人員募集を行っており、チームはByteDanceのAIラボが監督することになるという。ラボは2016年に創設され、中国版TikTokである「Douyin」のコンテンツ事業に注力していたが、今回大きく方向展開を行う。「Baidu」も創薬事業へ向けて20億ドルを計画していた経緯もあり、中国創薬市場が急速に活気付くと予想される。— 参考記事

同社は2012年に創業。まずはAIを活用した検索ニュースプラットフォーム「Toutiao(今日头条)」をローンチし、中国で大きく成功を収めた後、そのAI技術を基に登場したのが中国版TikTokである「Douyin」でした。米国の口パクアプリ「Musical.ly」も買収し、爆発的な成長を見せたのはご存知の通り。

ここまで見るとメディア企業に見えるのがByteDanceです。しかしこれを「AI企業」という切り口で見れば、創薬市場参入も納得できます。今はAIにより、従来治療が困難とされてきた疾患へ対応するスタートアップへの投資が熱を帯ています。未知のウィルスである新型コロナに侵されている世界情勢を見れば、その重要性は誰もが納得することでしょう。将来的には自動運転やロボットのような、次世代ハードウェアの分野にまで進出するかもしれません。

今週(12月18日〜12月24日)の主要ニュース

IPOを申請した「Poshmark」。
IPOを申請した「Poshmark」

米国ファッションフリマアプリ「Poshmark」がIPOを申請した。日本におけるメルカリのように、買い手と売り手を直接繋げる個人間売買のプラットフォーム。直近2四半期で3,000万ドル以上の利益を上げており、収益は2020年の最初の3四半期で28%も増加している。1年前は3390万ドルの赤字だったが、2090万ドルの利益に転じた。アクティブユーザー数は3,170万、アクティブバイヤー数は620万にも及ぶ。— 参考記事

「Apple」は2024年までに、同社最初の自動運転車を製造する意向であると報じられた。本プロジェクトでは自動運転技術とバッテリー技術が搭載されるとのこと。2015年に開始したが、16年にはチームが大幅縮小した経緯がある。— 参考記事

ロボットや自動運転技術向けのAIチップを製造する中国企業「Horizon Robotics」が5Y Capital、Hillhouse Capital、Capital Todayなどから1億5,000万ドルのシリーズCを完了した。Horizonは今回のラウンドで7億ドルの調達を計画しており、今回はその最初の段階となる。シリーズBでは30億ドル企業評価で6億ドルを調達している。今後、Nvidiaと競合することは必至であり、米中貿易戦争の中、AI技術がどのように扱われるのかにも注目が集まる。— 参考記事

ニュースサイト「Axios」は、ローカル・ニュース出版社「The Charlotte Agenda」を500万ドル前後で買収したと報じられた。ノースカロライナ州を拠点とする同社は、毎日のニュースレター、Instagramページ、ウェブサイト等を通じて、ノースカロライナ州シャーロットの地域ニュースや最新情報を提供している。— 参考記事

室内フィットネスバイクを提供する「Peloton」はフィットネス機器メーカー「Precor」を4億2,000万ドルで買収したと発表。今回の買収規模は4.2億ドルに及ぶ模様。室内ユースケースから、ホテルや大型ジムへの戦略的拡大が伺える。— 参考記事

女性ユーザー視点で設計された出会い系アプリ「Bumble」が、上場を内密に申請したと報じられた。上場は2月に予定されており、バレンタインデー頃になる可能性があるとのこと。Bumbleは昨年、Blackstoneに過半数の株式を売却している。今回の上場で60–80億ドル評価を目標としているという。— 参考記事